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カモフラージュされたスカニアの新モデルに乗った「ファースト・ランナー」による試乗インプレッションをお届け

2017年に登場したカモフラージュ版スカニア新モデル。これまでにもスカニアのトラックに乗っていたというドライバーたちは、誰よりも早い試乗機会を得た「First Runner(ファースト・ランナー)」として、どんな印象を抱いたのでしょう。実際にフィールドテストを行っての率直な感想をお届けします。

噂に聞いていた以上のグレードアップに驚き[泉北商運]

約1年前の2017年9月8日、大阪の南港の一角にある広大な駐車場に、美しくカモフラージュされた1台のトラクター・ヘッドが滑り込んで来ました。その到着を期待感に満ちた表情で待ちわびていた人たちから歓声が上がり、笑顔が弾けます。彼らは待ちきれないかのようにトラクター・ヘッドへと歩み寄り、思い思いに各部を観察したり触れてみたりと、さっそく楽しそうにチェックを開始します。自分のパートナーとして時間をともに過ごすことになるだろうそのクルマの到着を心待ちにしていたのでしょう。

カモフラージュされたスカニアの新モデルに乗った「ファースト・ランナー」による試乗インプレッションをお届け

そのクルマとは、2016年8月にパリのグランパレでお披露目され、日本では2017年10月の東京モーターショーで初めて公開された『SCANIA(スカニア)』。そのジャパン・プレミアに先駆けること1ヶ月半前のこの日は、もっとも早く日本の地を踏んだ3台のうちの1台が、株式会社泉北商運に納車となる特別な日でした。代表取締役社長の小谷 憲作氏、副社長の小谷 英史氏を筆頭に、ドライバーやスタッフの皆さんがこの日を待ちわびていたのは、当たり前といえば当たり前だったのかもしれません。

カモフラージュされたスカニアの新モデルに乗った「ファースト・ランナー」による試乗インプレッションをお届け

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泉北商運 代表取締役社長の小谷 憲作氏(左)とスカニアジャパン CEOのミケル・リンネル

スカニアジャパンのミケル・リンネルCEOからキーが手渡されると、さっそく試乗が始まります。泉北商運の駐車場を出て周囲をひとまわり、10分少々の“ちょい乗り”ではありましたが、このクルマを担当することになるというドライバーの浜田氏にお話を伺ってみました。

「スカニアは実は初めてなんですけど……これはいいですね。乗った感じが柔らかくて乗り心地も良く、それでいてハンドルがとられたりすることもないし。シートも変に柔らかくなく硬くもないし、エンジンも静か。まだほんのちょっとしか走ってないから何とも言えないけど、長距離は楽そうですね。疲れは少ないかもしれません」

沿道にいたグループからは「あれ、新モデルのスカニアやろ?」といった声も聞こえてきます。カモ柄はトラクター・ヘッドの全面を覆っていますし“SCANIA”の文字もエンブレムもすっかり隠しているというのに、やはり独特のフォルムや隠しきれないディテールから新しいスカニアであることが分かってしまうようです。「新モデルに対する関心がそれだけ高いことの証、でもありますね」と、小谷 憲作社長はこんなふうにおっしゃっていました。

「僕は昔のスカニアしか知らなかったし、ドライバーたちから徐々に進化しているとは聞いていたけど、新モデルは昔のクルマと較べるとびっくりするくらい違いますね。これはドライバーの誰もが乗りたがると思います。とりあえずこのクルマは大阪・南港近辺を走らせるので、何やあれ? と言われるやろけど、カモフラージュをはがしたときにどれだけ驚かれるのか、それを見るのが楽しみですね」

数字に表れている燃費の向上と直進安定性の高さ[大川運輸]

ほぼ時期を同じくして、同じようにカモフラージュが施されたファースト・ランナーが納車されたのがこちら大川運輸株式会社。新モデルのスカニアに乗ってきたドライバー、田村 たかし氏はどんな印象をお持ちなのでしょうか。

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「カモフラージュをしていると逆に目立つので、一般の方が写真を撮られたり、新モデルのスカニアですよね? と聞いてくるドライバーさんも多かったですね。これまでは別メーカーのクルマに乗っていたので新旧の比較はできませんけど、新モデルは乗り心地がソフトで、とても良いです。ハンドルも今まで乗っていた車両よりもずいぶん軽くて、運転もしやすいです。軽過ぎず、しっかりしています。直進安定性も優れていると感じますね。

私が乗っているのは450psのR450なんですが、それと比べるとパワーがあると感じられ、トルクがすごいです。他メーカーであれば2350Nmっていうトルクの数字は500psオーバーのエンジンのトルクに相当するレベルですので、重量物を積んだ状態で走るときもギアの切り替えが少なく済みますし、長距離でも疲れを感じません。

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燃費もとても良いですね。パーキングエリアやサービスエリアでの休息時には、キャブ内の冷暖房にエンジンのアイドリングなしで稼働するキャブクーラーやキャブヒーターを使用するので、エンジンをかけている時間が劇的に減りました。以前は月間で100時間を軽く越えていたのが、約10分にまで減りました。それも燃費向上に役立っているのではないでしょうか」

さらに新モデルの最も気に入っているポイントを訊ねてみると、こんな答えが返ってきました。

「安全装備を含め、装備が先進的ですよね。全体の雰囲気も乗用車的で、内装、外装のデザイン、各部の仕上がりも素晴らしいです。乗り味、性能など、総合的に良くできたクルマだと思います」

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大絶賛、と申し上げていいでしょう。田村氏はとても満足されている様子でした。

見ただけで分かったあらゆる部分の進化[トランスウェブ]

こちらもほぼ同じタイミングでファースト・ランナーを導入されているのが株式会社トランスウェブ。代表取締役の前沢 武氏はパリでの内覧会にも足を運ばれるほど、この新モデルのスカニアに強い関心をお持ちでした。クルマをチェックされた後に「注文することになるでしょうね」とおっしゃっていました。

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前沢氏には、この新モデルの導入を決めた理由についてお訊ねしてみました。

「パリで見たときに、全体的に一段階レベルが上がっているのがはっきりと分かったんですよ。例えばドアの締まり具合とか、ボディの密閉性。車内がものすごく静かなんです。居住空間がこれまで以上に快適で、シートもすごく良い。各部の操作性も良くなっている。あらゆる部分が進化していることが、まだ走らせてない段階からはっきりと分かったんです。

私たちの仕事では、トラクター・ヘッドは欠かせません。これまでのスカニアももちろん良かったけど、新しくなってさらに良くなっていたら、当然購入は間違いないでしょう。内覧会の時点で“注文する”といったのは、そういうわけなんです(笑)。もちろんあの場での技術説明とか技術展示とかに、走らせたらどうなるかという期待感が持てたことも大きかったですよ。それに私たちが以前からスカニアを導入しているのは、もちろんクルマの良さもありますけど、ドライバーたちのモチベーションの維持が大きいんです。そこも新モデルを早く導入したいと考えた大きな理由ですけどね」

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トランスウェブではファースト・ランナーの納車の後、2台のトラクター・ヘッドをオーダーし、先日そのクルマがオランダで納車になりました。現地でその2台が引くことになる一般雑貨用とレーシングカー/高級車運搬用車両の完成を待っているところで、それができあがり次第、IAA(Internationale Automobil-Ausstellung)開催中のドイツ・ハノーファーを出発地点に据え、ヨーロッパを横断してロシア・ウラジオストック経由で日本まで自走で帰ってくる……いう計画が進んでいます。

「言ってしまえばただの“思い入れ”なんですけどね(笑)。現地で初めて見たときに、実は日本まで乗って帰りたいって思ったんですよ。クルマが変わる、時代が変わる。運送会社も変わらなきゃいけない。それまで漠然と考えていたことがはっきりした感じでした。私たちはこのクルマを走らせて生きていく。このクルマたちと一緒に生きていく。それを身体で強く実感したいというのもありますけど、それだけじゃなくて、その行程には新しい試みを盛り込むことも計画しています」

その熱い想いからはじまったおそらく1万3,000kmを越える横断の旅が何をもたらすのか、またあらためてお話を伺ってみたいと感じています。

次世代モデルがもたらすのは、優れた労働環境の提供

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ファースト・ランナーこと新モデルのスカニアは、これからも次々と日本に上陸します。スカニアが掲げる“環境保全のための社会的責任と企業としての利益の両立”を実現させるため、このモデルにはさまざまな技術やシステム、そして根本的な部分に依然として強く貫かれている“ドライバーへの優れた労働環境の提供”という理念が込められています。日本の運送業界とそこに従事されてる方々にどのようなメリットをもたらしていくのか……というと少し大袈裟に聞こえるかもしれませんが、期待は膨らむ一方です。

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Text:嶋田 智之、遠藤 イヅル
Photos:YosukeKAMIYAMA

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