デニムユニフォームがとてもクール!
GRIFF IN MAGAZINEでは、これまで数多くのカスタマーを訪問し、スカニアを選ばれた理由をお聞きしてきた。この他、スカニア導入後には大きな効果が現れることや、ドライバーやその家族を大切にする社長、活気に満ち温かく元気なドライバー・スタッフ、スカニアに関わる人たちの「スカニアへの熱い思い」などもご紹介してきた。そして今回取材に訪れた、青森県青森市に本社を持つ山建運輸株式会社も、社員を思う社長に率いられ、スカニア導入によりさらなる発展を続けている企業だった。
鮮やかかつクールなグリーンが似合うスカニアトラクターの前に立つのは、山建運輸のスカニア・ドライバーたち。上下揃いのジージャンとジーンズがキマっている。
取材陣が到着すると、広い山建運輸の本社敷地には、すでにスカニアが5台スタンバイしていた。企業カラーであるライトグリーンに彩られたスカニアは、曇り空の下で鋭い輝きを放っていた。そして、出迎えてくださったドライバーのみなさんは、クールな揃いのジージャンとジーパンを着用していて我々を驚かせた。なんてスタイリッシュ! 話によれば、この上下はなんとユニフォーム。つまり制服の作業着なのだ。一瞬、私服かと見間違うほどにファッショナブルである。スカニアのカラーリングと合わせ、一般的なトラックドライバーの世界観から大きくジャンプアップしている。
このデニムの上下は、なんとユニフォーム。伸縮性のある素材のため、乗務・作業時でも肘や膝に負担がかからない。同社ではこの服をドライバー・スタッフが着用することで、統一感とクールさを兼ね備えることに成功している。
ドライバーの個性が反映された、山建運輸のスカニア
山建運輸で活躍するスカニアは7台。取材日には、5台が集結した。7台のうち4台は「R500 A4×2NAトラクター」だ。搭載されるエンジンは、最高出力500ps(368kW)/1,900rpmと最大トルク2,550Nm/1,000〜1,300rpmを発生する、12.74 ℓ直列6気筒の「DC13型」。トランスミッションは、最適なギア段数のチョイス、スムーズな変速に定評がある12段AMT「オプティクルーズ」。
同社に納入されたスカニアトラクターが牽引する、ウイングトレーラー展開の図。
山建運輸では大小50台以上の車両を有し、そのうち7台がスカニアだ。内訳は「R500トラクター」が4台、「R410リジッドトラック (完成ウイング車)」が3台で、取材の際には5台が集まっていた。各車をよく見てみると、ボディカラーは基本的に統一しているものの、グリルの色やキャブサイドのグラフィック、ロゴのカラーなどに違いがあることがわかった。同社では、ドライバーは各車に専任で、各々ある程度自由にカスタマイズを行えるため、ドライバーごとの好みや個性を反映することができるという。
同社ではリジッドトラックを3台保有しており、いずれも「R410 B6×2LB」だ。エンジンはR500と同じく「DC13」型だが、最高出力410ps(302kW)/1,900rpmは最大トルク2,150Nm/1,000〜1,300rpmという高性能を誇る。足回りには総輪エアサスペンションを備える。3軸車ながら、4軸低床車同様の荷室高2,600mmを確保している。3台のうち2台が、800mm幅のベッドを持つ快適なスリーパーキャブ「R20H」を持つ。
山建運輸のスカニアには、ドライバーごとの好みを反映したカスタマイズがそれぞれに行われている。この2台のトラクターだけでも、社名表示・キャブ後半を飾るグラフィック・ドアノブの色などに違いが見られる。
「LOVE青森」を掲げ、地域に愛される企業を目指す山建運輸株式会社
スカニアのカスタマイズとスタイリッシュなユニフォームなどによって、自由な雰囲気を持ちつつ、しっかりとした規律も感じさせる山建運輸株式会社は、建設業を担う株式会社山崎建設と、倉庫業を担当する株式会社ヤマケンをグループ内に持つ。2021年6月現在、青森市内に山建運輸本社・山崎建設、および株式会社ヤマケンの倉庫2箇所を構えており、地域では「ヤマケン」として親しまれている。このほか山建運輸では、宮城県黒川郡大和町の宮城営業所、茨城県結城市の茨城営業所、ヤマケンでは岩手県胆沢郡北金ケ崎町に低温管理を可能とする北金ヶ崎倉庫も擁する。
山建運輸が主に取り扱うのは、地元青森県内で収穫されたお米である。豊かな自然に育まれた青森米は、近年、味の良く高品質なため、市場で高い評価を得ている。山建運輸では、その青森米を各地に届けるだけでなく、農家からお米の直接集荷も行なっているという。そして集荷したお米は、倉庫担当の株式会社ヤマケンが検査・保管後、山建運輸が出荷・輸送を行なっている。同様に、排雪工事などを請け負う山崎建設でも、残土や雪の輸送を山建運輸が担当している。このように、ヤマケングループでは、輸送・建設・倉庫がオールインワンで連携することで、効率のよい物流を実現しているのだ。
青森県青森市に本社を構える山建運輸株式会社。土木工事業(管理・施工)・除排雪業を行う株式会社山崎建設、倉庫業・保険代理業を担う株式会社ヤマケンの3社でグループを形成する。「誠実に業務を実行」することをスローガンとし、「LOVE青森」を掲げ地元に愛される企業を目指して盛業中だ。
山建運輸では、主に青森市周辺で収穫されるお米を各地に運んでいる。そのため、取材で撮影を終えるとすぐに、このようにお米などの積み込みが行われていた。
きっかけは、とあるドライバーの「スカニアへの熱意」
若き力で若きスタッフを力強く牽引する、山建運輸株式会社 代表取締役 山崎 治喜氏。
このように同社では、集荷用から近県・関東・関西へのお米輸送という幅広いミッションに合わせ、軽トラック・中型・大型・トレーラーを使い分けており、トラクター4台、リジッドトラック3台の布陣で山建運輸が走らせる7台のスカニアも、日夜、青森のお米を各地に運んでいる。そこで、山建運輸株式会社 代表取締役 山崎 治喜氏に、スカニア導入の経緯をお聞きすることにした。
「1台目のスカニアが来たのが2019年です。導入のきっかけは、社内の決起集会的な飲み会のときでした。このとき、弊社のとあるドライバーが『スカニアに乗りたい』『スカニアを買ってください』と熱く話してきました。その勢いがとにかく、すごくて。飲み会の最初から最後まで、スカニアに対する思いを語り続けたのです(笑)。それほどまで言うのなら、いいクルマなのかなって、気になってしまいますよね。しかも彼はどこからか手に入れたカタログまで用意していて。そして話を聞き、カタログなどを見ているうちに、『これはいいね』ということになって(笑)。あ、そのドライバーは今日ここに来ているので、あとで話を聞いてみてください」
──導入経緯としては、GRIFF IN MAGAZINEでも初めてのケースです(笑)。
ドライバーごとに自由なスカニアのカスタマイズについて、「ドライバーが自分のクルマという認識を持てば、クルマを大事にするようになります」と語られた山崎氏。
──そして一台、トラクターを導入されてみたのですね。現車をご覧になって、ドライバーさんが推していたポイントは合っていましたでしょうか。
「はい、その通りでした(笑)。言っていた通りでしたね。素晴らしいトラックでした。その結果、1台、2台と増えていきまして、他のドライバーからも『乗せてくれるなら乗りたい』という声もあがってきました。他社さんからもスカニアについての評判がよく、秋田県や岩手県からも『御社に就職すれば、スカニアに乗れるのでしょうか』という問い合わせも多く来るようになりました。中には『青森に引っ越すので、働きたい』というドライバーもいたほどです」
──スカニアは会社の看板にもなるため、求人の問題がスカニアを走らせることで解決したというお話は、これまでも導入企業様から数多くいただいています。
「私たちも、お米の降ろし先である新潟の企業から、ドライバーに声が掛かることがありました。さらに、『ウチの荷物も運んでもらえるの?』というお話も。これは、初めての経験ですね」
山建運輸株式会社 運送管理部 部長 成田 智紀氏(写真右)、補佐 白﨑 晃史氏(写真左)にも、スカニアに関してのお話をいただくことができた。
また、インタビューにご同席の山建運輸株式会社 運送管理部 部長 成田 智紀氏、補佐 白崎 晃史氏からも、スカニアは車内が広く、仕上げも良く、長距離運転時の疲労感が少ない、などの高い評価をいただくことができた。それまで自社車両のメンテナンスを依頼していた、青森市で整備工場を運営する森山ディーゼル株式会社が、2019年8月以降スカニアディーラーになったことも導入を後押ししたという。
スカニアの車内は「自分の部屋」
再び登場の、山建運輸の元気で陽気なイケメンスカニアドライバー。左から木村 幸嗣氏、小笠原 孝聖氏、高杉 慎吾氏。「スカニアを買ってください」と山崎社長に直談判したドライバーこそ、彼らのひとり木村氏である。
それでは続いて、冒頭でご紹介した山建運輸のスカニアドライバーのみなさんに、改めてスカニアの印象や実際に乗務した感想をお伺いしてみよう。
──さきほど、山崎社長から「すごいプッシュ」があってスカニアがやってきた、とお聞きしました。そのドライバーさんは、今日いらしているとのことですね。どのようにしてスカニアを知られたのですか?
(木村氏)「はい、それは私です。この会社に入っていろいろな場所でトラックをに接するようになり、ある時、前のスカニア(編集部註:従来型スカニア「PGRシリーズ」)」を初めて見たのです。『なんだろう、このトラックは!』と衝撃を受け、それからスカニアに興味を持ち始めました。それで、『乗せてください』とお願いしたのです」
──乗られてみて、スカニアはいかがですか?みなさんご感想をお聞かせください。
(木村氏)「パワーがあり、上り坂でのストレスがありません。停車時は、ほぼリターダーのみで、停まる寸前だけブレーキ踏む感じですね」
(高杉氏)「燃費も優れています。トランスミッションの選択もよく、変速ショックも感じません」
小笠原氏に、実際にスカニア乗務中に休憩する際のリラックス・シーンを再現していただいた。「とにかく快適です。高級感があります」(回転する助手席はオプション装備)
──みなさん一度の乗車が長いかと思います。東京で片道700km、大阪では1,000kmほどありますものね。その際、長時間過ごす車内の快適性は、とても重要ではないかと思います。スカニアのキャブは快適だと定評がありますが、いかがですか?
(小笠原氏)「ほんとうに快適です。スカニアの車内は、自分の部屋です」
(高杉氏)「収納が大きく、なんでもしまえるので、『生活感がない』とも言われました(笑)」
──まわりのドライバーさんや、荷主さんからの評判などはありますか?
(高杉氏)「高速道路のパーキングなどでは、他社のドライバーから何度も声をかけられます。写真撮っていいですか、というのはよくあります。子供にも、大人気ですね」
(小笠原氏)「おばあちゃん、トラックの前に立って! と家族で写真を撮られたこともあります(笑)」
──スカニア導入によって、社内で起きた変化などはありますか?
(高杉氏)「はい、あります。日曜でもみんな会社に集まって、スカニアの話をするようになりましたね。おのおの持っているスカニアの乗り方を教えあうこともあります。元々みんな仲が良いのですが、さらに深まった気がします」
評価が高いスカニアのリターダーや、車間距離保持機能付きクルーズコントロール(ACC)は、山建運輸でも大好評だった。クルーズコントロールの調整や設定は、ステアリングホイールのスイッチで行うことができる。
スカニアは絆を深め、会社を発展させる
終始明るく楽しく、そして温かい山建運輸のみなさんと、自由で豊かな社内の雰囲気に、我々取材陣も笑顔が絶えない取材となった。その原動力は、最初に「私の話より、ドライバーにフォーカスしてくださいね」というお話をされた、山崎社長の社員を思う気持ちに他ならない。「着てみたい」と思わせるクールなユニフォームも、社員の熱い思いに応えてスカニアを導入したことも、社員を大切に考えている現れに違いない。
また、スカニア自体も、社員の気持ちやモチベーションを高め、新たな顧客を生むなど、数多くの導入効果をもたらし、山建運輸の発展に寄与している。筆者は、GRIFF IN MAGAZINEの取材を重ねるうちに、「スカニアは単なるツールではなく、人々の絆を深め、企業を温かくすることができる」と感じていた。この取材を終えて「それは間違いでない」と改めて実感できた。山建運輸と同社で働くスカニアの、今後の限りない発展を祈念したいと思う。
取材を終えて記念撮影。みなさん明るく、仲が良いことは、この素敵な一枚からも伝わってくることと思う。取材中は、最後まで笑顔が絶えなかった。
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Text:遠藤 イヅル
Photos:Masato Yokoyama