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東北初のスカニア製二階建てバスは、復興への夢も乗せて走り出す 〜岩手県北自動車株式会社様〜

岩手県北自動車株式会社、スカニア製二階建てバスを都市間運行に投入 

2016年観光用に導入を開始して以来、『SCANIA(スカニア)』製二階建てバスは、2019年6月現在、空港アクセス便高速路線バス、短距離・中距離高速路線バス、長距離昼行/夜行高速路線バスなどで活躍しており、目にする機会も大幅に増えた。スカニアは“新しい日本の二階建てバス”としてすっかり定着している。そしてこの度、2019年7月31日より、新たに東北エリアで都市間運行でも活躍をすることになった。運行を開始するのは、株式会社みちのりホールディングス(東京都千代田区)のグループ会社で、岩手県内の盛岡市、宮古市、青森県八戸市などで路線バスを運行するほか盛岡〜首都圏、盛岡〜弘前・青森などの高速路線バス網を有する、岩手県北自動車株式会社(岩手県北バス)である。

スカニア二階建てバス・岩手県北自動車株式会社

2019年夏より、みちのりホールディングスグループ会社の岩手県北バスは、岩手県盛岡市と宮古市を結ぶ路線に二階建てバスを投入する。運行する車両は、国内で数多くの実績を持つスカニア製エンジン・シャーシを持つ「アストロメガ」。日本でのスカニア製二階建てバスでは初となる、3列シートを採用した。

スカニア製二階建てバスのカラーリング(シャンパンゴールドとオレンジ)

「MEX(Michinori Express)」はみちのりグループの統一仕様として高速路線バスに採用している新しい高速バスのブランド。新進気鋭のデザイナー川西 康之氏による「シャンパンゴールド」と「オレンジ(みちのりオレンジ)」のニューカラーリングに切り替わっていく。スカニア製二階建てバスにもこのカラーパターンが採用されているが、二階建てバス向けのアレンジが施されている。

スカニア製二階建てバスのロゴ・岩手県北バス

岩手県北自動車株式会社は、岩手県北部を中心に路線バスと高速路線バス網を持つ。MEXカラーに貼られた「岩手県北バス」のロゴが誇らしい。

同社では、内陸部の盛岡市と三陸地方の沿岸部にある宮古市、山田駅などを結ぶ都市間連絡バスとして、1978年から「106(ひゃくろく)急行」を走らせている。106とは、この路線が主に走行する国道106号線から命名されている。盛岡と宮古の間は鉄道も結んでいるが、1日4便(平日。土日は5便)と非常に少ない。地域の基幹路線として重要な役割を果たしている。スカニアは、まさに同社の象徴といえるこの路線に、「盛宮106特急」という新たな愛称で投入されることになった。

国内初の、スカニア製二階建てバスで「3列シート」を採用

 

スカニア製二階建てバスは盛宮106特急の愛称が与えられた

スカニア製に階建てバス運行開始に伴い、スカニアを投入する便名には「盛宮106特急」という愛称が与えられることになった。以前は「106特急」「スーパー106特急」が運行されていたため、「特急」は久しぶりの復活となる。

「盛宮106特急」で使用するバスは、シャーシとエンジンがスカニア製、ボディがベルギーの「Van Hool(バンホール)」製の「アストロメガ」で、基本的には日本各地で活躍する仕様と同型だ。車体寸法は日本の法規に収まる全長12m、全幅2.5m、全高3.8mで、この「日本専用設計」がスカニア×バンホールの二階建てバスが日本で普及している理由の一つ。海外向けのサイズでは、日本では運行に制限が出てしまうのである。スカニア製直列6気筒12.74ℓディーゼルエンジン「DC13 115」は、日本の平成28年の排出ガス規制(ディーゼルバスに対する最新の排出ガス規制)をクリアしつつ、410psの最高出力と2150NMのトルクを誇るパワフル&クリーンなディーゼルエンジン。パワーを最適な変速で引き出す12段半自動AMTトランスミッション「オプティクルーズ」によって、イージーな運転も実現している。

「盛宮106特急」用のスカニア最大のトピックは、二階席の一部と一階席に、スカニア製二階建てバスとして日本初の3列シート配置を採用したことである。二階席最前部の6席、一階席の6席がテーブルを備えた3列シートになっており、それぞれ「ワイドビューシート」「ビジネスシート」と呼ばれる。ワイドビューシートでは、ゆったりとしたプレミアムなシートに座り、美しい東北の山々と三陸の海の絶景を楽しむことができる。都市間運行を担う「106急行」にはビジネス需要もあるため、「盛宮106特急」では、一階のビジネスシートで移動中も快適に過ごしたり、仕事ができるように工夫されている。

もちろん、二階に41席設けられるスタンダードシートも、抜群の眺望と素晴らしい座り心地を持つことは言うまでもない。その他、フリーWi-Fi、全席AC電源、USB(窓際席のみ)、全席個別照明、トイレ(一階)を装備しており、快適な移動をサポートする。

眺望抜群な二階席は最前列と2列目の6席を3列配置のワイドビューシートとしている

眺望抜群な二階席では、最前列と2列目の6席を、3列配置の「ワイドビューシート」としている。

スカニア二階建てバスの二階席から

二階席を前方から見る。後方は「スタンダードシート」で、41名が着席可能だ。「ワイドビューシート」「スタンダードシート」ともに、カラーは赤系統で統一。シックで上質なイメージを持ち、旅へのテンションを盛り上げてくれる。美しい風景を見たことのない視点から堪能できるのは嬉しい。ワイドビューシートにはテーブルも備わる。

スカニア製二階建てバスの一階席

一階にも3列の「ビジネスシート」が6席並ぶ。ワイドビューシート同様、ビジネスシートでも運賃の他に約500円が必要となる。ゆったりしたシートと落ち着いた空間で仕事が進められるよう、シートにはテーブルも展開可能。二階建てバスのため天井は低めとなるが、明るい室内も相まって、着座時の圧迫感はまったくない。

スカニア製二階建てバスの運転席

機能的でデザインにも優れた運転席回り。12段機械式AMT(セミオートマチック)「オプティクルーズ」の採用により、ドライバーの操作負担軽減を実現する。各部の詳細は記事後半のギャラリーコーナーもご参照あれ。

スカニア導入はバス業界の発展に繋がっていく

 

株式会社みちのりホールディングス 代表取締役 グループCEO 松本 順

岩手県北自動車を含む5つのバス会社と、モノレール会社、旅行会社のみちのりトラベルジャパン、宮古市の浄土ヶ浜パークホテルをグループ会社に収める、株式会社みちのりホールディングス 代表取締役 グループCEO 松本 順氏。日本バス協会副会長、福島県バス協会会長、復興庁復興推進委員会委員も務めている。

岩手県北バスのほか、東北・関東地方のバス会社をグループ内に持つみちのりホールディングスでは、高速バスに関してグループ共通のカラーをまとった「MEX(Michinori Express)」という新ブランドを立ち上げて展開中だ。前述のように岩手県北バスでもスカニアを都市間路線に投入した理由を、株式会社みちのりホールディングス 代表取締役 グループCEO 松本 順氏にお伺いすることができた。
松本氏は、みちのりホールディングスの親会社の株式会社経営共創基盤(IGPI)の取締役マネージングディレクターも務めている。かつては産業再生機構執行役員に就任し、バス会社等の事業再生を数多く手がけた実績を持つ。

みちのりホールディングスは、バス界ではその名を知られる存在である。同社はグループの各バス会社が持つメリットを生かし、会社やエリアごとの縦割りの壁を切り崩したことで、高速バスの共同運行によるコスト削減を実現。バスの空席を埋めて輸送効率を上げるために、大手運送会社と組んで「貨客混載バス(岩手県北バスの“ヒトものバス”)」の運行や高速バスを使った茨城産新鮮野菜の輸送、キャッシュレス化を推進するなど、各々のバス会社では規模的・経営的に困難なチャレンジや、従来にはなかった「誰もやっていない」画期的なアイデアを次々と実現し、売り上げを伸ばしている。これらの施策でも、松本氏が手腕を発揮している。

東北初のスカニア製二階建てバスは、復興への夢も乗せて走り出す 〜岩手県北自動車株式会社様〜

公共交通機関としてこれからますます重要になるバスを盛り上げていく立役者としても知られる松本氏。スカニアを導入する大きなメリットや期待について、興味深い話をたくさんしてくださった。

──盛岡〜宮古を結ぶ、岩手県北バスの重要路線「106急行」に、スカニア製二階建てバスを導入された理由をお聞かせください。

「106急行は本数も多く、盛岡と宮古を結ぶメインの移動手段です。これまでもたくさんのお客様にご利用いただいてきました。その中で、これまでの都市間移動のお客様や、新たに観光でこのエリアを訪れてくださる方々に、美しい車窓風景を楽しんでいただきたく、眺望に優れるダブルデッカー、スカニア製二階建てバスの導入を考えました。検討を開始したのは、3年ほど前です。また、バスのサービス向上には、バスの位置がわかるバスロケーションシステムなどのサービスもありますが、やはり、見た目にもわかりやすい新車の投入、しかも欧州製のバスは効果があるのではないかと。しかもこのバスに対して、沿道の子ども達が憧れを抱いて、将来はバスの運転手になってくれたらいいですよね。このような話は、我々バス業界の発展に繋がっていくと思いました」

──確かに、カッコいいです!色も素敵です。イメージリーダー的な雰囲気ですね。

「現実的な話でも、通常のバスよりも座席数が多いため、バス乗務員一人あたりの生産性も高まります。トラック、バスの運転手不足の時代ですから、一人が出来るだけ多くのお客様を運べることのメリットは大きいですね。乗務員も、自分が運転するバスにはこだわりがあります。スカニアに乗務することで、自分の仕事に対する“誇り”を高めてくれたら嬉しいです。乗務員は、皆スカニアに乗るのを楽しみにしています」

──一階、二階の3列シートも、とてもゆったりしていて座り心地が良かったです。

「3列シートが二階のワイドビューシート、一階のビジネスシートの合計12席です。約500円料金が高いので、こちらも生産性が高まります。実は、盛岡〜宮古間はビジネスユースが多いのです。自分で運転しないで、ビジネスシートでゆっくりと休んでいただくこともできますし、移動時間を使って車内で仕事をすることも可能です」

ワイドビューシート

ビジネスシート

二階には美しい東北地方の山々や三陸エリアの海の風景を堪能することができるワイドビューシート、一階には106急行のビジネスユースに対応したビジネスシートを設けるなど、二階建てバスを十分に活用するアイデアが随所に溢れている。ドイツのキール(Kiel)が手がける3列シートの座り心地は素晴らしい。凝った生地と素材の選択にも注目したい。

気になる今後の導入計画について、松本氏は、
「現在、みちのりホールディングスのスカニアは1台ですが、今後も評判が良ければ、2台目3台目も考えていきたいです。盛宮106特急、岩手県北バスだけでなく、みちのりグループのバス会社に展開するかもしれません」
と教えてくださった。

良いものはグループ内で情報を共有し、技術や運営ノウハウも共用できる。これこそが、バス会社の垣根を越えて横へのつながりを持つことができる、みちのりグループの強さだと感じた。

グループのメリットを生かした「盛宮106特急」誕生秘話

 

東北初のスカニア製二階建てバスは、復興への夢も乗せて走り出す 〜岩手県北自動車株式会社様〜

スカニア製バス導入に尽力した、株式会社みちのりホールディングス ディレクター 吉持 次郎氏(右)と、車両の管理を担当する、岩手県北自動車株式会社執行役員 車両安全管理部長 嘉那井 勝氏。みちのりグループ向けの特別な仕様や、運行についてお話をお伺いした。

美しいボディカラーとシックな内装を誇る「盛宮106特急」用のスカニア。これまで日本に数多く輸入・運行され、実績のある車両だ。しかし、岩手県北バス向けの特別な仕様にするにあたり、こだわりポイントやご苦労があったという。その話を、株式会社みちのりホールディングス ディレクター 吉持 次郎氏にしていただいた。

──独自の仕様は、どんなところですか。

「シャンパンゴールドとオレンジ(みちのりオレンジ)の塗装は、日本上陸後に、グループ内の整備会社が担当しています。後部のラゲッジスペースには、弊社オリジナルの“オートフロア”を設置しました。こちらは、バス乗務員がお客様の荷物を出し入れする際に、階段に登り奥まで手を伸ばさないで済むように、と開発した装置で、ベルトコンベア式として荷物の出し入れを容易にしています。この装置も、グループ会社が開発しました。このように、盛宮106特急用バスは、みちのりグループのバス会社ごとに持っている技術力を生かして作り上げています。

なお、シャンパンゴールドとオレンジのカラーリングは、弊社の高速バス「MEX」と同じ色ですが、スカニアは二階建てのため、アクセントとなるオレンジ色の位置を吟味した“こだわりのカラーバランス”になっています。スカニアでは日本初の3列シートも、こだわった部分です」

東北初のスカニア製二階建てバスは、復興への夢も乗せて走り出す 〜岩手県北自動車株式会社様〜

リアタイヤ上部にはラゲッジスペースが設けられているが、他事業者のスカニア製二階建てバスとは仕様が少し異なり、向かって左側のスペース奥には仕切りが、右側のスペースには荷物を奥にベルトコンベアで送ることができる「オートフロア」を装着している。乗務員がラゲッジスペースに荷物を積み下ろしする場合、奥に荷物が入ってしまうと「収納式の階段を上り、さらに腕を伸ばさないとならない」ということが起こる。その事案に対処すべく開発された装置で、みちのりグループが独自開発を行った。乗務員の作業負担軽減にもつながっている。

続いて、実際にこのバスの運行管理を担当する、岩手県北自動車株式会社執行役員 車両安全管理部長 嘉那井 勝氏にも、運行上のポイントや、乗務員の評判などをお聞きした。

「岩手県北バスでは、以前に国産二階建てバスを導入したことがあります。新たにスカニアを運行管理するにあたり、すでにスカニアを走らせているユーザーからお話を伺いました。また、メンテナンスもスカニアディーラーのバックアップがあります。このバスは、通常は岩手県北バスの宮古営業所に配置され、宮古で滞泊します。輸入車のバスですが、乗務員からは特に国産のバスと差異や違和感もなく運転できて、しかもシートが良いなど、評判は上々です。」

東北初のスカニア製二階建てバスは、復興への夢も乗せて走り出す 〜岩手県北自動車株式会社様〜

乗務員の評判は良く、皆さん運転を楽しみにしているという。「盛宮106特急」を担当する乗務員は、15〜20名ほど、とのこと。

東北初のスカニア製二階建てバスは、復興への夢も乗せて走り出す 〜岩手県北自動車株式会社様〜

従来の106急行に使用されていた「ハイデッカー」タイプのバスの多くは、バリアフリー対策が万全とは言えなかった。しかし、一階がフルフラットのスカニア製二階建てバスなら、バスのニーリング(車体を傾けて乗降をしやすくする)と折りたたみ式のスロープを用いて、車いすでの乗降も容易だ。スロープは使用頻度を考慮して階段脇に常設。

2019年7月31日、復興の願いも込めて運行開始

スカニア製二階建てバスの運行開始にあたって、松本氏はこのようにも述べられた。

「岩手県北バスでは、このバスの導入は“東日本大震災復興の総仕上げ”の意味合いがあると思っています。三陸地方では、震災の影響で観光客が激減しました。現在は持ち直しておりまして、この流れを今後も確実にする必要があります。その使命は、岩手県北バスにもあります。このバスを楽しみに使っていただくことで、もっと沿岸部に行く方が増えればいいと考えています」

そして2019年7月31日(水)より、今なお東日本大震災の被害に立ち向かう三陸地方復興への願いも込め、都市間運行バス「盛宮106特急」がいよいよ走り出す。「盛宮106特急」は1日1往復の運行で、盛岡駅前を出て停まる停留所は「県庁市役所前」「やまびこ産直館」「宮古駅前」のみの特急運転。盛岡駅前〜浄土ヶ浜パークホテル間を約2時間20分で結ぶ。乗車は事前予約制の全席指定席で、7月4日から予約受付を行っている。片道運賃はスタンダードシートで2,030円(小人1,020円)、ワイドビュー&ビジネスシートは2,500円(同1,490円)である。

都市間運行、観光、そしてビジネス。様々な需要を一手に引き受け、岩手県北バスのイメージリーダーとして走り始める「盛宮106特急」。風光明媚な東北の山々を駆け、絶景の三陸海岸へと抜けるこの路線を走るスカニア製二階建てバスは、多くの人の夢や想い、喜びを乗せ、これからもずっと走り続けることだろう。さらに、みちのりグループ内の各バス会社でも、スカニアの勇姿を見られる日はそう遠くないかもしれない。大いに期待したいと思う。

東北初のスカニア製二階建てバスは、復興への夢も乗せて走り出す 〜岩手県北自動車株式会社様〜

東北エリア初のスカニアエンジン搭載二階建てバスは、都市間運行の使命だけでなく、バリアフリー対応はもちろんのこと、観光やビジネス対応も可能という「オールマイティーなバス」としての使い方も注目される。二階建てバスだからこそ可能な、これまでにない用途の“日本の新しい二階建てバス”の活躍を期待したい。

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澄んだ青空を美しいボディカラーに写し込むアストロメガ。

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二階の通常席も、表面の素材を変えたシックで上質な仕様になっている。座り心地もとても良い。外から見ると窓はかなり黒く見えるが、車内からはご覧の通り、全く問題ない眺望が得られる。全席にAC電源を持つのは有難い。

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座席頭上のエアコンの個別吹き出し口、照明、スピーカー類。緊急時用のコールボタン、USB端子なども備える。

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階段上部、二階席最前部、一階など車内の各所に設けられる映像装置には、各種アナウンスを表示することができる。

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乗降は後ドアから行う。ドアすぐ右側には2階への階段を備える。盛岡駅〜浄土ヶ浜パークホテルまでは片道2時間半ほどかかる道中のため、階段脇にはトイレも設置されているが、運行時には途中の停留所「やまびこ産直館」でも休憩停車を行う。

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一階のビジネスシート前方には、フロントタイヤハウスを活用したラゲッジスペースが用意されている。

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運転席のドライビングシートは、ホールド性と快適性に優れる、ドイツのイスリングハウゼン製。エアサスも備え、乗務員の労働環境改善にも寄与している。

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ダッシュボード右側には、フォグランプ、ニーリングなどの各種スイッチが整然と並ぶ。右下のコントローラーでは、ミラー、デフロスターなどの調整を行える。

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メーター左側には、路線バス用機器のカラー系統設定リモコンを設置。4分割の画面には、車内外各所に設けられたカメラの映像を映している。

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欧州製バスだが、オーディオ、バス用音声合成放送装置、行先表示の設定器は日本の機器を搭載。

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助手席側では、前ドア部にもミラーが追加されている。

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リアは2軸で、それぞれシングルタイヤである。ミシュラン製タイヤがチョイスされており、サイズはいずれも295/80 R22.5。

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エンジンは最高出力410psと最大トルク2150Nmを発生する、排気量12.74ℓのスカニア製直列6気筒12.74ℓディーゼルエンジン「DC13」。12段変速の半自動AMT「オプティクルーズ」を組み合わせる。シャーシはスカニア製の「K410 EB6×2LI」。

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IGRいわて銀河鉄道(旧東北本線)の厨川(くりやがわ)駅のすぐそばにある、岩手県北自動車株式会社本社。岩手県北バスは、1978年から「106急行」の運行を開始、1999年には盛岡市がバスの利用促進を図る総合対策事業の対象(オムニバスタウン)となったことを受け、厨川地域でゾーンバスシステムを導入するなど様々な施策を行い、盛岡市周辺の公共交通の発展に寄与してきた。

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奇しくも後ろを通るのはEH500型電気機関車「金太郎」。北海道に向かいコンテナを満載にした貨車を牽引して駆け抜ける。

Text:遠藤 イヅル
Photos:濱上 英翔

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