SCANIA World Wide

SCANIAフランスのメイン・ディーラーへ。そこで感じた万国共通の想いとは。

前回、パリ市内のグランパレで行われた新型車のお披露目会についてのレポートをお届けしましたが、実はそのお披露目会の日の午前中、パリの『SCANIA(スカニア)』ディーラーを訪ねていたのでした。

より正確にいうなら、パリ郊外の北東部。シャルル・ド・ゴール空港のすぐ南、ミトリィ・モリィにあるスカニア・イル・ド・フランスの旗艦店であり、スカニア・フランスのメイン・ディーラーとも呼べる重要な拠点です。

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パリの中心部からクルマで移動すること1時間弱。到着して車外に出て、いきなり驚かされたのは、その敷地の広大さでした。おそらく東京ドームひとつ分は軽く超える広がりで、中央部にセールスのための建物と、それに併設されたファクトリーがあり、そこをグルリと取り囲むようにして整備や納車を待つトラックやバスが50台近く並べられています。

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セールス・ディヴィジョンに足を踏み入れてみると、フロアの一画、それも入り口からすぐの決して小さくないスペースがマーチャンダイズのブティックになっていました。アパレルやモデルカーはいうに及ばず、ベルトやカフスやキーホルダー、スマホケースやUSBメモリーのようなものまで、多種多様な商品が展示販売されています。ブランドそのものにファンの多い、スカニアならではのスペースといえるでしょう。

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このミトリィ・モリィ店のファクトリーは、車体のリペアやカスタマイズ、パワートレーンの重整備を含めたメンテナンスまでを行うことのできる設備と技術、スタッフが揃っています。セールス・ディヴィジョンとオフィスを兼ねた建物に併設されているファクトリーのスペースは、標準的な学校の体育館2つから3つ分ほどの広さ、といったところでしょうか。単にスペースが広いだけでなく、内部は作業効率を追求したレイアウトにされていました。大きな塗装ブースに並んでエクステリアやインテリアなど車体関連を手掛けるエリアがあり、その隣にはエンジンやトランスミッションを分解しオーバーホールできる整備エリアがあり、さらにその隣には30mはあろうかと思われるレーンが並行して3本区切られ、そこでは最も作業頻度の高い駆動系やサスペンション周辺を含めた下回りからの作業が行われる、といった具合。

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車体エリアでは、美しく塗装が仕上がったばかりの1台がカスタマイズを受けていました。サイドにはグリフィンが大きく描かれ、キャビンの後ろ側にはスカニア・ヴァビス時代の紋章をダイナミックにアレンジしたイラストが大きくあしらわれ、フロントには灯火類が追加されるなど、その姿はなかなかの勇姿。日本では法的な問題が細かく存在してできることに限りがありますが、こうしたカスタマイズをディーラーで施してもらえるのが、とても羨ましく感じられました。

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下回りのレーンも、なかなか興味深かったです。イエローのゼブラゾーンがドライブスルー式の作業レーンで、メカニック達が前後両端の階段から下に降りて作業をするわけですが、そのトンネルの内部には作業をするための照明が整然と並び、また作業に必要なツールが必要な分だけ用意されているなど、ありそうであまりない作業の効率化を図るための工夫があちこちに見られました。中にはローラー・テストができるレーンもあったほどです。

こちらはスカニア・フランスの直轄ということもあり、スカニア・フランスでプリセールス・サポートとホモロゲーションを担当するマーク・バフェノワさんが色々と説明をしてくださいました。バフェノワさんによれば、ここはスカニア・イル・ド・フランスのパリ周辺の3つのサービス・ファクトリーのひとつであり、その3つで年間4000台ほどの入庫車両をまかなっているのだそうです。

せっかくなので、バフェノワさんにフランスにおけるスカニアの活動などについて訊ねてみました。

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──スカニアは古くからフランスに導入されていたのですか?

1960年代から導入されていましたが、スカニア・フランスができたのは1972年です。以来、トラックはもちろん、バスやコーチのディストリビューション、それにマリン用と産業用のエンジンのサービスも行っています。現在トータルで、フランス国内には100を超えるサービス拠点があります。またスカニア・フランスは、スカニアにとっての3番目のアセンブリー工場も運営していて、1日あたり60〜70台の生産キャパシティがあります。

──フランス国内におけるスカニアのシェアはどれくらいですか?

フランスのマーケットはリーマンショックの影響で一時的に大きく下がりましたけれど、現在、トラックではおよそ40000台の市場があります。私達の競争相手は全てヨーロッパのメーカーになりますが、その中にあってスカニアは少しずつシェアを伸ばしています。最初の段階では10%を目指していたのですが、今はその段階を超えて12%近くまで伸びました。確実に成長を続けています。

──その要因は何なのでしょう?

まずはフランスにおけるユーロ6規制(※)に対応した車両の第一人者だから、という点が大きいと思います。そのうえで250馬力から730馬力の幅広いV8エンジンのラインナップを持ち、重量物や木材などの運搬を含めた様々なアプリケーションを用意できる。スカニアはヨーロッパにおいて他ブランドよりもプレミアムブランドとしての位置づけですが、品質への信頼性が高く、燃費もいいのでランニングコストも抑えられる。フランスではその点はものすごく重要視されます。

そしてさらに燃費を向上させるために、メンテナンスやレクチャー、ドライバーのトレーニングなどをパッケージにして提供する活動なども行っています。その辺りもお客様に評価していただけているのではないかと思います。アパレルライン、SCANIA TRUCK GEARなどのスカニアのマーチャンダイズは世界的に好評をいただいていますが、フランスにおいてもしっかりした売り上げを上げています。スカニアのドライバーにはスカニアを駆ることにプライドを持ってくださる方が多いのですが、フランスにおいてもそれは同じ、という証だと思っています。

※ヨーロッパ連合(EU)の大気汚染物質の排出規制値を定めた規定

──スカニア・フランスとして、他と異なる特徴的な部分はありますか?

フランスだけというわけではありませんが、ディーゼル燃料の代替として天然ガス用パワーユニットへの取り組みは真剣ですね。パリではディーゼル車の乗り入れが禁止される方向なので、代替燃料で走るクルマが重要になります。スカニアは天然ガスでもすでに280psから340psを確保して実用化していて、2017年に向けてさらにパワフルな天然ガス用ユニットを開発しています。これはフランスだけに限ったことではなく、いずれ世界中の国々で同様の問題に直面することが予想されます。スカニアが天然ガス用ユニットの開発において先進的であることが誇らしいですね。

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スカニア・フランスができて45年。日本と較べれば歴史が古く、そのぶんシェアも広げていれば、進歩的なところも見受けられました。そしてスカニア・ジャパンも誕生してまだ数年ではあるけれど、シェアは確実に伸ばしているようです。また2017年には、ユーザーやファンが喜ばしい気持ちになるような計画が、いくつか用意されている模様です。もちろん国として抱えている事情も異なれば国民性も異なるから全く同じ道筋をなぞるわけではないでしょうけれど、これからの日本におけるスカニアの針路にこれまで以上に想いを馳せたくなった訪問でした。

そしてバフェノワさんの「スカニアのドライバーにはスカニアを駆ることにプライドを持ってくださる方が多い」という言葉。きっとそれは万国共通なのだな、と感じられたのも大きな収穫でした。

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Text:嶋田智之

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