INTERVIEW

SCANIAが繋ぐ人と人との絆、そして運命の出会い 株式会社アサヒ物流様

いい仕事をするために、いいクルマを求める。スウェーデンで『SCANIA(スカニア)』トレーラーに魅せられた一人の男性。そしてスカニアジャパンとの出会いにより、人と人との絆と信頼で物流の未来へ繋げる、株式会社アサヒ物流様を訪ねた。

人との出会い、そして社員を大切にする株式会社アサヒ物流

新社屋お披露目

高知自動車道の高知インターからおよそ15分、高知市と南国市のちょうど境辺りの高台に拠点を構える、株式会社アサヒ物流。私たちGRIFF IN MAGAZINEの取材チームがお邪魔したその日のその場には、いつもと違った人物のにこやかな表情がありました。スカニアジャパンのCEOであるヨハン・ルンデン氏その人です。同じくスカニアジャパンでプリセールス部門の責任者をつとめる中井 誠氏、リテール事業部の西日本担当部長として静岡から九州までを担う高見澤 孝夫氏の姿もありました。──なぜか。アサヒ物流の新社屋が完成し、ちょうどお披露目の日に当たっていたのでした。

新社屋お披露目の日、入り口脇に設けたフラッグポールにスウェーデンの旗を揚げる竹村社長。訪れたスカニアジャパンのルンデンCEOを歓迎する意味だけではなく、そこにはスカニアと御自身、そしてアサヒ物流にまつわる全ての人への想いが込められているのでしょう。

敷地面積およそ7500平米、社屋などの建物でおよそ480平米。社屋の前に広がる広大な駐車スペースからは、その麓から広がっていく街並みとその先に横たわる海原を見下ろすことができます。社屋の隣には車両の点検などを行うためのガレージが並び、社屋の事務所スペースの上階は、いざとなれば何人もの人が快適に寝泊まりをすることのできる住居のような施設になっています。ただし、現状では誰もそこで生活をする予定は全くありません。

社屋の2階部分は、一般的な戸建て住宅を超える広さにキッチンなども完備した、住居にすら使える空間になっています。いざというときに関係者が身を寄せることのできる、海に面した土地柄ゆえの津波対策。

新社屋前の広大なスペースは、もちろん駐車場。50台程のトラクターヘッドやトラックなどが、これからここを拠点に全国各地へと出発し、帰還します。このR580はアサヒ物流にとっての本格導入1台目となるスカニアで、竹村社長によれば「これはらは全部スカニアに切り替える」とのこと。

株式会社アサヒ物流の代表取締役社長である竹村 尚洋氏は、震災対策のためにこの高台へと新社屋を移したのでした。2011年の東日本大震災の時から5年計画、総工費5億8000万円。トラクターヘッド、トレーラー、トラックなど100台を超える車両のうち、自走する車両は海に程近いこれまでの社屋から全てこの新社屋に移動してくる予定とのことですが、ただ車両のことのみを考えたわけではありません。もしもの時に従業員やその家族が避難できる場所を確保しておくことも大きな目的のひとつでした。この日、お話をさせていただいてはっきりと判ったのですが、御自身は言葉にして表すことこそしないものの、竹村社長は人と人との繋がりというものを何よりも大切にする熱さを、その穏やかな風貌に秘めた方だったのです。

良い仕事をするために、スカニアトレーラーと運命の出会い

疲れにくく、安全な走行ができるトラックを求めて

株式会社アサヒ物流は1969年、竹村社長御自身がトラック1台でスタートさせた運輸会社です。現在は予備車も含めた50台のトラクターを35人のドライバーが走らせています。メインとしているのは橋梁関係を中心とした重量物。四国や大阪はもちろんのこと、全国各地の協力関係にある企業の工場からピックアップして、それこそ全国津々浦々まで運びます。運輸業界の中では、ただ得られる利益だけを考えるのではなく義理や人情を重んじて仕事をするところがあることでも知られ、またいい仕事をするためにいいクルマを使うという主義が明確であることでも知られています。

いい仕事をするためにいいクルマを使う。それは会社としての規模が大きくなってくる中で、ある時竹村社長が輸入車の良さに気付いた時に生まれた考え方だったようです。

穏やかな口調でインタビューに応じてくださった、アサヒ物流の代表取締役社長、竹村 尚洋氏。人と人の繋がりを大切にする姿勢と過去よりも未来に関心の強い視点が印象的でした。

「私たちは橋のような公共性の高いものの建設に関わる仕事ですから、絶対に現場を止めるようなことがあってはなりません。ケガをしてもいけないし、もちろん事故なんて絶対に起こしてはいけない。もちろん従業員は大切ですが、安全というものにこだわるのには、そういった意味合いもあるんです。だからドライバーが疲れにくく、安全に運行できるクルマを使いたい」

スカニアトレーラーとの出会い

最初に出逢って惚れ込んだ北欧製の車両に強い興味を持った竹村社長は、1998年、スウェーデンを訪ねます。

「現地のいろいろな物流の現場を見てみたかったし、向こうでトレーラーをオーダーしてきたかった。それで現地に行ってみたら、スカニアの比率が多かったんです。特に重量物を運んでいるのはほとんどがスカニアでした。もちろん興味を持って帰ってきたんだけど、でも当時の日本ではスカニアは買えなかったんです」

そして日本でもスカニアを購入できるようになると、竹村社長は1台のトラクターを購入、実際の業務の中でデータ取りをしてみたのだとか。

「悪くはないと思いました。思ったより燃料を食わなかったし、とにかく壊れなかった。信頼性は高かったですね」

それでも本格的な導入に至らず、当初からの北欧製車両で100%揃えて業務を続けてきたのは、後に記す理由も大きいのですが、惚れ込んできたその北欧製車両に対するこだわりがあったのと、当時の日本におけるスカニアをめぐる体制に安心感を持てなかったということも大きかったかも知れません。

そして今、アサヒ物流には他の車両と同じダイヤモンドブラックで彩られた、1台のスカニアが導入されています。昨年の9月に導入されて、走行およそ3万6000キロ。しかもそれはテストとしての導入ではなく、これから車両の交替の時期がきたものは全てスカニアに切り替えていく、と断言までされています。

「今のクルマも本当に優れていると思うけど、でもトータルで考えるとスカニアがいいです。やっぱり全く故障はなくて信頼性は高いし、V8の16リッターでエンジンの馬力も大きいのに、燃費は思っていたよりいい。もっとクルマが馴染むと燃費はさらに良くなるとも聞いています。サービスの体制にも不安はありません。ルンデン社長がいらっしゃるから是非言っておきたいのだけど、スカニアは高いです(笑)。でも、値段以上の価値はあるように感じています」

他のトレーラーには戻れない

このスカニアを担当しているドライバーの方はどう感じておられるのだろうか。竹村社長が「走行データが取れるベテラン」と紹介してくださった、上地 勇也氏にお話を伺ってみました。

「まだ細かくお話しできる程までは走り込んでいないですし、これまで乗ってきたクルマとの比較でしかお話しできないですけど、それでもはっきりと言えるのは、性能面では大満足ということですね。エンジンのパワー、ミッションの繋がり、ブレーキの効きには文句の付けどころがないです。これまではオートマなんて乗っていられないと思っていたのに、もう戻れない(笑)。操作性も完璧に近くて、そういう点ではとても楽です。ハンドルは重いですけど、でもその分しっかりしていると思います。気になるところがあるとすれば、乗り心地の固さかな。そこには改善の余地があるかも知れません。ただ、そこが個性の違いなのかも知れませんね。燃費に関しては、モニターに出る数字と実際に計算してみたのとではもちろん違いがあるものなんですけど、それでも排気量が大きい分もっと悪いだろうと思っていたのに、計算してみても意外といいです」

アサヒ物流のエース、上地ドライバー。R580の走行距離は取材時で3万6000キロ。それでも「全部をしっかり話せる程走り込んではいないから……」と慎重な姿勢でおられる辺りにベテランとしての深みを感じさせられました。

スカニアジャパン高見澤氏との信頼関係

竹村社長は、こんなこともおっしゃっていました。
「私たちは周りの人々に助けてもらってここまでやってきて、これまでのメーカーとも長くつきあってきました。そこにはクルマだけじゃなくて、人間関係もありました。スカニアに切り替える決心をしたのは、クルマ以外に、タカちゃんの存在も大きかったですね。長くつきあってきて、どういう人なのか、仕事ぶりも含めて解ってる。本当に人柄がいいんですよ」

絶賛されている「タカちゃん」というのは、冒頭でお名前を挙げた中のひとり、リテール事業部の西日本担当部長、高見澤 孝夫氏のことでした。高見澤氏は竹村社長がずっとお付き合いしてきた北欧メーカーの営業マンとしてアサヒ物流を長年担当、そちらを辞して僅かなブランクの後、スカニアジャパンに入社。御挨拶のために訪ねたときに、「入社祝いで」と竹村社長が1台オーダーなさったのだそうです。どれほど絆が強いかが推し量れるエピソードです。高見澤氏にもこっそりとお話を伺ってみました。

スカニアジャパンのリテール事業部、西日本担当部長の高見澤 孝夫氏。静岡から九州までの広大なエリアを日々移動しながらも、長年のお付き合いがあるアサヒ物流には「以前から用事がなくても月に一度はこうしてお邪魔していますね」。

「本当に営業冥利に尽きますね。2000年ぐらいからずっと、少し年の離れた弟みたいに可愛がっていただいています。スカニアの導入を考えてくださったのは、確かにきっかけはそこだったかも知れませんが、私だって製品自信を持てない限りは大切な方にお勧めすることなんてできませんし、そもそも製品がしっかりしてなければ入社していません。それにディーラーさんや整備をしてくださる方々の御協力でしっかりとしたサポート体制ができていることも大きいです。お客様がWINでディーラーさんがWINで私たちもWINで……とならないのだったら、ビジネスとしても無理、成り立たないですよ。社長はそういうところを一発で理解してくださいました。社長はとてもまっすぐな方で、面倒見がよくて、後輩の皆さんにもすごく慕われています。男として素直に頭が下がるし、憧れますね」

アサヒ物流が考える、これから

私はスカニアの伝道師になる

最後に、竹村社長にアサヒ物流のこれからについて訊ねてみました。

「クルマは、これから全てスカニアに切り替えます。仲間も引っ張り込んで、伝道師になりますよ(笑)。それに、ちょっと苦労はしましたけど、震災対策もできました。あとは私の後の組織づくりですね。10年後には後を継ぐ孫に渡します。身内で一緒になって支える者も入れています。人間、いつどうなるかは判らない。でも、私はあと10年はがんばります。借金が終わらないから(笑)。借金が励ましてくれるんですよ、無借金の会社を渡したいだろ?って。私はもう若くはないから、今から5年先、10年先を考えて、組織固めをしてちゃんと動くようにしておきたい。そのためには力強くサポートしてくれる存在も必要です」

もう少しでお付き合いが20年近くなる、竹村社長と高見澤氏。二人の会話を横で聞いていると、その雰囲気はまるで兄弟でもあるかのよう。人間関係が希薄になったと言われる現代社会において、ここまで温かくここまで濃い間柄というのは、それ程あるものじゃないとすら感じられます。

竹村社長の穏やかな視線の先には、「タカちゃん」こと高見澤氏の静かな笑顔がありました。竹村社長も高見澤氏もどんなお付き合いをして来られたのかを語ったりはしませんでしたけど、そこは男同士。面と向かって、というのには照れもあるのでしょう。けれど、長年の間に様々なことを話し、様々なことを一緒に乗り越えて、理解し合っていることは端で見ているだけで判ります。こうした温かい関係っていいな、と痛感した取材だったのでした。

その後、竹村社長からルンデンCEOに「達磨に目を入れていただけませんか」と申し出があり、ルンデンCEOが慣れない筆と墨に真剣な面持ちで応じるなど、ちょっと感動的な出来事があり、場は本来のお披露目の席の雰囲気に戻っていきました。その流れを目にしながら、こんなことを感じていました。

竹村社長のリクエストに応え、達磨に目を入れるルンデンCEO。日頃はにこやかなルンデンCEOですが、このときの眼差しは真剣、手つきは慎重、でした。

綺麗に目が整い、安全と開運を意味する赤達磨に魂が入りました。ルンデンCEOも、目入れの儀を真剣な面持ちで見つめていた竹村社長も、少しホッとした表情です。

輸送の仕事は人から人へとモノを受け渡すこと。心を受け渡すこと。そしてそれを受け渡すための道具としてトラック/トラクターが存在し、それを作るのも人、売るのも人、走らせるのも人、そして支えるのも人。つまるところ、人と人との繋がりが全てなのであって、ひとりひとりの「人」にかかっているのだよな……と。

きっとグリフィンは、それを静かに穏やかに見つめているのでしょう。

この日、新社屋におられたアサヒ物流のスタッフの皆さんとスカニアジャパンのスタッフで記念撮影。お披露目は終始和やかな雰囲気で、高知の人達特有の明るさと温かさがじんわりと伝わってくる会でした。

Text:嶋田智之
Photos:YosukeKAMIYAMA

社長室に飾られていたスカニアのミニチュア。「最新モデルのミニチュアも飾りたい。もちろんその日本第1号車も欲しいですね(笑)」と竹村社長。

アサヒ物流の車両は、全てダイヤモンドブラックで統一されています。理由を竹村社長に訊ねると「たいした意味はないんですよ。私が昔、ダイヤモンドブラックの輸入車(乗用車)に乗っていて、この色にしようと思っただけ(笑)。今は看板のようになっちゃいましたけどね」。

車両のサイドにあしらわれるロゴは、竹村社長のアイデア。アメリカのトラック・ショーを訪ねたときに現地で刺激を受けて原案を作ったのだとか。

「一つの目標だった震災対策ができたから、あとはこれから先の組織作り」と竹村社長。その視線は未来に向いています。

竹村社長とルンデンCEOは数ヶ月ぶりの御対面。

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