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SCANIAはドライバーのモチベーションの源 〜株式会社ロジックスライン様〜

スカニアを導入する「大いなる価値」

日本では、乗用車における輸入車のシェアがいよいよ10%に届く勢いで上昇している一方で、バン、トラックやバスなどの商用の輸入車に関しては、街中で見かける機会はまだ多くない。輸入車の場合、日本に持ち込むために海を越える必要があり、日本の道路や右ハンドル向けの環境に合わせた幅・長さ・重さなどの車両規格に合わせなければならないが、日本で製造され日本の法規に合わせ開発されている国産メーカーのバン・トラック・バスはそれがないのは言うまでもない。企業もドライバーも操作面、運用面、メンテナンス面でも輸入車に不慣れということもある。国産メーカーが日本市場で主導権を握る理由はそこにあるといえよう。だが、海外製トラック・バスにはいくつものアドバンテージが存在する。これを「価値」と捉えて輸入車を導入する企業が増えており、スウェーデンに本社を置くトラック・バス・産業用エンジンメーカー『SCANIA(スカニア)』も、製品の完成度の高さとしっかりとしたアフターサービス体制から市場の高評価を得て、着実に日本での登録台数を増やしている。千葉県成田市の「株式会社ロジックスライン」も、迫力と洗練さを兼ね備えたデザイン、キャビンの高い居住性、長距離運転時の疲労の少なさなどにポテンシャルや「大いなる価値」を感じ、スカニアのトラックを採用したユーザーである。

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2tのバンから13tトラックまで多種多様な車種を計27台所有する株式会社ロジックスライン(千葉県成田市)は、2015年秋から東日本エリア初となる“単車(6×2)”のスカニアの運用を開始したことで注目を集めた。スカニアの日本における販売の主流は「トラクター」だったが、2015年以降はキャビンと荷台が一つのシャーシに載っている単車の販売も行っており、着々と台数が増加している。

輸送の「プロフェッショナル集団」、株式会社ロジックスライン

今回訪問した株式会社ロジックスラインは、1998(平成10)年にトラック5台で営業を開始し、成田空港脇という恵まれた立地を活かして国際航空貨物の地上輸送を主に手がけている他、流通加工・倉庫保管業務・代理店業務といった物流に関わるあらゆるニーズに対応する業務を行う物流会社だ。車両面では、2t積みのバン・トラックから4t積みトラック、そして13t積みの大型トラックを計27台有する。「輸送品質の向上」を揚げる「プロフェッショナル集団」であることを創業時からコンセプトに掲げており、営業所周辺での清掃活動など地域への奉仕、若手ドライバーの育成やモチベーション向上への取り組み、安全意識向上のための安全推進大会の開催、東京都貨物輸送評価制度に挑戦し初挑戦で星3つの最高評価を獲得するなど、様々な施策やチャレンジも積極的に行っている。

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成田空港脇を力走するスカニアR410。物々しいフェンスに負けない力強いスタイルが魅力だ。

スカニアはモチベーションの源

輸送品質をアップするためのアクティブな活動を実施するロジックスラインが、スカニア製トラックを導入した経緯を同社代表取締役 沢田 秀明氏にお伺いした。沢田氏は予てよりスカニアを存じていたが、スカニアは2015年より前はトラクターが販売の主流だったため、トラクターを必要としていない同社ではスカニアを採用する計画が無かった。だが、2015年6月にスカニアの単車(トラクターではなく、キャビンと荷台が一つになったいわゆる“大型トラック”)の試乗会が富士スピードウェイ(FSW)で開催されることを知り参加。そこで初めてスカニア製トラックのステアリングを握ることになった。元トラックドライバーでもある沢田氏は、そのときに国産メーカー製トラックとの違和感が無かったことを感じたという。国産トラックに慣れているドライバーにとって、あまり違和感が大きいのは好まれないところでもある。また、パワーがあり乗りやすいこと、乗っていて気持が良いこと、パワーと車重のバランスが良かったこと、欧州的なデザインが印象的だったと言う。

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株式会社ロジックスライン 代表取締役 沢田 秀明氏。「輸送品質にこだわるプロフェッショナル集団」である同社を率いる、力強く頼もしいリーダーである。

その後、スカニアジャパンのスタッフからの熱い働きかけで、ロジックスラインはスカニアの導入に向けて前向きに検討を開始する。だが、同社初の輸入トラックということもあり、トラブル発生時の対応、メンテナンス、アフターサービスに不安があったのは事実だった。そして購入時のコスト面もフォーカスされた。だが、スカニアはスカニアジャパンという現地法人を持っており、何かあったときに迅速に対応出来る体制が整っていること、ロジックスラインの近隣である富里市にスカニアジャパンの基幹サービス拠点「富里ディーラー」があることから、国産メーカーと同等のアフターサービスが受けられることが評価され、価格面に関しても納得のいく範囲に収まった。そして東日本エリア初となるスカニアの単車(G410、G16型ショートキャブ・ロールーフ、6×2)の採用が決定。納入が急テンポで進むこととなった。そして2015年11月、ロジックスラインのトラック共通カラーリングのシルバー×メタリックブルーをベースにしたオリジナルカラーを纏う美しい姿のスカニアが納入され、いよいよ正式に運行を開始したのである。

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沢田氏がスカニア導入の際にこだわったのがグリル部の塗り分け。下部までグリルの印象を継続するようにバンパーにも黒く塗装を施した。

沢田氏は、スカニア導入の価値、メリットをこう話して下さった。
「スカニアのトラック(単車)が東日本初という話題性もありますが、やはり大切なのはドライバーのモチベーションに繋がるということです。我が社では社員の満足度向上に力を入れているのですが、スカニアは仕事のモチベーションアップに大きく貢献しています。また我々の業界では人材確保などの問題に面していますが、若手ドライバーが『このトラックなら働いてみたい』と思うようになることと、運転して疲労の少ないトラックによる労働環境改善にも大いに期待しています。それと、スカニアは『看板車』としての意味もあります。看板車の存在でよりドライバーの応募が増えてくれるといいなと思っています。目立つクルマですので、見られていることから安全運転にも繋がります。モチベーションアップと看板車としての存在で、導入した意義と価値が十分あると言えます。」
同社のスカニアドライバー小林氏をこの後でご紹介するが、彼がピカピカに磨き上げたスカニアと、それに触れるときの嬉しそうな屈託無い笑顔が、スカニアを運転する喜びと誇りを表していた。

また、今回の導入に関して、沢田氏は看板車としての顔を持つスカニアの塗装にもこだわっている。スカニアの力強いビッグなグリルをさらに強調するために、グリルの仮想延長線で黒い塗装をバンパーに施したのだ。また、シルバーと鮮やかなメタリックブルーの2トーンカラーに合わせてグリル内も塗り分けられている。これにより目立つスカニアトラックはさらに迫力を増した。こうした思い入れを起こさせるのも、スカニア製品の魅力の一つである。

トラックドライバーから感じる、熱い視線

同社でスカニアを運転するのは、輸送グループ 大型チームリーダー 小林 直哉氏。入社4年目、28歳の小林氏は、若手のホープである。スカニアの導入が決まり富里ディーラーを訪問した時、小林氏はその姿に圧倒され、「カッコイイ!」「乗りたい!」と思い、乗る前から期待が高まったとのことだ。納車後に運転した当初は、それまで乗務していた国産メーカーのトラックとの操作の違い(操縦の違和感ではなく)と硬めのシートに慣れなかったが、それらはすぐに解消。シートもその硬さが長距離に向いていると気が付いたという。これまでに秋田県、福岡県、大阪府など遠方への運送を幾度もこなしてみて、パワーがあること、長距離運転時の疲労が少ないこと、フルエアサスによる優れた乗り心地、オプティクルーズ(半自動オートマチック)のシフトアップ/ダウンのタイミングの良さ、5段階で調整出来るリターダーが良く効くことに感心。すっかりスカニアを気に入られたようだった。この日も小林氏のスカニアは、納車から1年半が過ぎたとは思えない程新車のようにピカピカに磨かれていたが、それでもご本人は「ほんとはもっと綺麗に磨きたいのです」とのことで、スカニアへの熱い思い入れを感じることが出来て取材チームもとても感激した。

メタリックブルーの塗装も美しいスカニアだけに、よく見られるのでは?とお聞きしたところ、「トラックドライバーからの熱い視線を感じて、嬉しくなります」と答えて下さった。

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スカニアを運転するドライバーは、輸送グループ 大型チームリーダー 小林 直哉氏。照れながらも爽やかな明るい笑顔で、取材と撮影に快く応じて下さった。ちなみに彼が乗車するスカニアのナンバープレート数字は「コバヤシ」をもじったもの。

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スカニアのキャビンに収まり、破顔一笑の小林氏。スカニアを運転していると、トラックドライバーの熱い視線を感じるという。

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ステアリング下に輝くイグニッションキーを彩るスカニアキーホルダーにも、「スカニア乗り」の誇りを感じさせる。

スカニアは価値ある解決策の一つ

沢田氏によると、スカニアを導入したことによって、同業の企業からもスカニアについての問い合わせが増えており、働くなら良いクルマを社員に乗せたい、と思う経営者は確実に多くなっているとのことだった。若手ドライバーの成り手を増やし、ドライバーにとって働きやすくやりがいのある魅力的な業界にしていきたいと語る沢田氏の眼差しは、物流業界の未来を見据えた強さに満ち溢れていた。また、ドライバーを大切にする優しさと熱い思いも強く感じられた。

これら人材確保や労働環境の問題に、スカニアは価値ある解決策の一つであると思う。デザインに優れ、乗り心地が良く、疲れにくいことがドライバーのモチベーションを上げ、長時間乗務を楽にする。そして効率良い輸送を会社としてバックアップするスカニアは、燃費やメンテナンスコストといった長期的な数字の面からもスカニア採用企業に利益をもたらしていく。「価値あるトラックの導入」という考え方が、今後よりトラックを運送する業界に広まっていくことを願いたい。そして、スカニアはその考え方にしっかりと応えられる製品ではないだろうか。

GRIFF IN MAGAZINEを長く愛読して下さっている方々なら、常に「情熱」というテーマが流れていることに気が付かれているかもしれない。工業製品でありながら、スカニアには関わった人のあたたかさと優しさ、情熱、そして関わった人々の「和」を感じるのだ。顧客への思い、ドライバーへの思い、従業員への思いに溢れているのだ。スカニアはテクノロジーを進化させているが、それは人々によって築かれると考えているのである。

もしこの記事を読まれた経営者の方が、一人でも多くスカニアという企業とスカニアの製品に興味を示して下さったら幸いである。

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ロジックスラインの社名と並びパネルを飾るスカニアのロゴ。「迫力あるトラックだな、何と言うメーカーのトラックだろう?」と思っても、これならすぐにスカニアと分かる。

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今回の取材の主役である3人。左からロジックスラインへのスカニア導入の立役者であるスカニアジャパン 富里ワークショップ セールス トラックセールス 松井孝亮氏、ロジックスライン 沢田氏、そして同社ドライバーの小林氏。スカニアを中心とした「人の和」を感じさせる。

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日本の法規ではトラックの全長は12m以内と決められているため、キャビン+後部に架装された箱(このトラックの場合ウイングボディ)のサイズで12mいっぱいになる。キャビンとシャーシはスカニア製だが、ウイングボディのメーカーは国産で、汎用設計のためスカニア専用設計ではない。大型トラック用に荷台内寸9.4mと9.6mの2種類があり、それに応じてキャビンの長さが決まる。ロジックスラインでは少しでも荷物を多く積むため、長い方のウイングボディを採用した。そのためキャビンは「G16」と呼ばれる少し短いタイプが選択されている。

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大型トラック(単車)はGシリーズに最高出力410ps(302kw)/1900rpm、最大トルク2150Nm/1000-1300rpmを発生する12742cc直6エンジン「DC13 115型」がチョイスされる。

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ルーフはロールーフ型だが、それでもキャビン部だけで全高は3030mmに達するため、小山のような威容は変わらない。乗り降りは3段のステップをまさに「よじ登る」イメージ。

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質感の高さが伺えるステアリングホイールには、降坂速度も調整出来るクルーズコントロールのスイッチなどが備わる。

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ステアリングコラムの右側から生える12段オプティクルーズ(半自動オートマチック)の操作レバー。ユーザーから絶大な効きがあると評判の5段階調整が可能な流体式リターダー(補助ブレーキ)のスイッチも兼ねる。強力な排気ブレーキ+リターダーの組み合わせでブレーキの摩耗を抑え、コストダウンを実現する。なお国産メーカーでは電磁式リターダーが主流だが、欧州では主に流体式が採用される。

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北欧製品特有の機能性とクールなデザインを両立したメーターパネル。タコメーターとスピードメーターの間には燃料残量、外気温、軸重、運転のヒントやスコアなどを表示するマルチファンクション液晶ディスプレイが備わる。

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ヘッドライトのスイッチはダッシュボードに配置されるダイヤル式。ドイツ、北欧の欧州製乗用車で多く見られる方式で、スカニアが北欧製トラックであることを感じさせる。

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ショートキャビンにも折りたたみ式のスリーパーベッドが備わる。

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キャビンに描かれたスカニアの象徴「グリフィン」はスカニア既製のステッカーだが、パネル部はロジックスラインのオリジナルデザインになっている。これも、沢田氏がこだわったポイントだ。

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助手席側には4つのミラーが備わり、視界の確保を行う。ドアミラーのためミラーステーの張り出しがないのが利点。

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晩冬の青空に映える伝統のスカニアロゴ。日本中を走り回るトラックゆえ、数多くの人々の目に触れる機会もきっと多いことだろう。

Text:遠藤 イヅル
Photos:YosukeKAMIYAMA

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