INTERVIEW

西日本エリアの重要なSCANIAサービス拠点、大阪中央ディーラー

サービスネットワークの拡充を続けるスカニア

トラックやバスは、大切な商売の道具である。もちろん購入時のメーカーや車種選択に趣味や好みなどの嗜好が反映されることはあるが、純粋にそれだけで選ばれることはなかなか無いだろう。運送会社やバス会社などのユーザーはトラック・バスを購入するという投資を行い、物資や人員を運んで利益を得ている。しかし大型トラック・バスは使用年数や走行距離が乗用車よりも格段に長くなるため、購入後は運搬に影響を及ぼさないよう故障を未然に防ぐ点検費用、消耗する部品の交換費用、オイルなどの油脂、運行するための燃料代などさまざまなランニングコストが発生する。つまり、営業に供される車両は、一般的な乗用車に比べて購入時の高価なイニシャルコストだけでなく、ランニングコストまで合算した長いスパンでコスト計算をする必要がある。そのため、燃費の良さ、購入後のアフターフォロー、点検や修理のネットワークなどのサービス体制の充実は、購入の際に検討される重要なポイントになると言える。

北欧スウェーデンのトラック・バス・産業用エンジンメーカー『SCANIA(スカニア)』も、2011年に日本の現地法人としてスカニアジャパンを設立後は日本各地に協力ディーラー・協力整備工場のサービスネットワークの拡充を進めており、2016年7月現在、全国で合計16箇所のサービス拠点を有する。このうち2箇所はスカニアジャパンによる直営ディーラーで、以前GRIFF IN MAGAZINEでお伝えした千葉県富里市の「富里ディーラー」が東日本エリアを、そして今回取り上げる「大阪中央ディーラー」が西日本エリアをそれぞれ管轄している。

_MG_1229

千葉県富里市に構えるスカニアジャパンの重要なサービス拠点、富里ディーラー。スカニア各車の点検整備の他に、輸入された車両を納車前整備する「PDI」としても機能する。

_D8Q2501touch

西日本エリアを担うスカニアジャパンの重要なサービス拠点、大阪中央ディーラーは大阪市住之江区にある。洗練された敷地内の社屋前には、スカニアのトラクターが多数置かれ、この界隈に欧風の雰囲気をもたらしている。

大阪中央ディーラーは西日本エリアのスカニアサービスネットワークの中心

スカニア直営ディーラーはスカニアジャパンが経営するディーラーである。スタッフ全員がスカニアジャパンの社員であるだけでなく、店舗CIも本国スウェーデンと合わせてあるなど、日本におけるスカニアディーラーのベンチマーク的な存在となっている。富里と大阪の2拠点はそれぞれ役割が少し異なり、富里は新車販売、点検・整備・修理などのディーラーとしての仕事以外にもPDIと呼ばれる納車前整備(Pre Delivery Inspection)センターの役目を担うほか、全国の協力ディーラーのメカニックやスタッフの教育も行われる。それでは、もう一つの拠点、大阪中央ディーラーの役割はどのようなものなのか。スカニアジャパン 大阪中央ディーラーのメカニック、加藤知之氏に、沿革や詳細をお伺いした。

「スカニア大阪中央ディーラーの前身となる大阪事務所は2011年10月にオープン。2014年6月に整備工場を備えた今の姿なりました。現在メカニックは3人体制で対応しています。富里と同じく大阪でもPDIは行われるのですが、主な業務は販売と一般修理、点検です。富里の業務が忙しくなった際には、PDIを行う車両を大阪に回すこともあります。それ以外にもスカニア製品の重要なひとつである産業用エンジン(発電機)のメンテナンスも行っています。お客様の多くは大阪府、兵庫県、京都府に拠点を構えているのですが、スカニアジャパンでは静岡から九州までを西日本エリアと規定しており、大阪中央ディーラーは西日本エリアサービスネットワークの中心拠点としての役割を持っています。また、富里同様、大阪中央ディーラーでも協力ディーラースタッフの教育を行うこともあります。」

_D8Q2475

スカニアジャパン 大阪中央ディーラーのメカニック、加藤知之氏。大阪中央ディーラーの立ち上がりを支えたスタッフで、現在ではフロントマンとしての役割も果たしている。

_D8Q2500

富里ディーラーと同じく、店舗デザインは本国のCIに準ずる。紺色字バックのスカニアマークとロゴが真っ白な建物に映える。

_D8Q2515touch

大阪中央ディーラーに納車直前のトラックと整備に入ったトラクター、そしてサポートカーが並ぶ。

直営ディーラーの強みとスカニア製品のメリット

続いて加藤氏に、直営ディーラーである大阪中央ディーラーの強みや特徴をお伺いした。そこには、世界中の道路を走るスカニアらしい特徴がある、という。

「スカニアは各国で活躍していますので、リアルな情報が世界中から入って来ます。スカニアは車両からの情報を集積してサーバにデータ化するシステムがありますので、私たち大阪中央ディーラーも含め、各スカニア協力ディーラーでの整備などにそれらの情報が反映出来ます。アジアでも強いスカニアは、日本など各国にマネージャーを置いていますが、アジアのマネージャーが指定の国に一同に集まり、不具合への対応方法や整備のノウハウを報告し合うこともあります。特に中国や韓国では日本以上にスカニアは有名で、市場での存在も強いのです。」

このマネージャー会議のほかにも、スカニアでは技術コンクールを行っており、昨年開催された中国へ訪問した際には、中国のスカニア整備工場の視察も行ったとのことだ。合わせて香港など各地のディーラーも視察し、様々な情報を得ることができた。渋滞、気温、湿度などのアジア特有の過酷な環境は日本も共有するため、これらの整備ノウハウ、訪問における情報収集は日常業務におおいに役に立っているという。

_D8Q2487touch
_D8Q2435touch

整備のために大阪中央ディーラー入りしたユーザーのスカニアトラクター。スカニアでは日本の法規で定める点検サイクル以外に、スカニア独自のメンテナンスサイクルが決められており、トラブル予防におおいに役立っている。

働きやすさはスカニアならでは

以前は国産トラック・バスメーカーに勤務されていたという加藤氏は、スカニアはとても働きやすい会社であると語る。スカニアの製品は修理や交換についてはモジュール単位で取り外し交換などを行えるほか、各コンポーネンツが様々な種類のエンジンで共用されるなど「整備をする」ことを念頭に起き設計されているので、とても整備がしやすいという。大阪中央ディーラーのメカニックで、以前は加藤氏と同じく国産メーカーにいた栢原(かやはら)氏も、スカニアの整備のしやすさを実感しているひとりだ。整備性の高さは仕事のモチベーションに影響することもあり、製品自体が働きやすい環境を持っているといえる。栢原氏は以前の職場と比べると休みも多くなり、仕事以外の時間を有効に楽しめるようになったとのことだ。

そしてもうひとり、メカニックの内海氏にもお話をお聞きした。珍しい女性のメカニックである内海氏は初めて働く会社がスカニアで、勤務開始して1年ほどというフレッシュマン。スカニアは女性スタッフに対しても男女分け隔てること無く対応してくれるだけでなく、職場でも女性が勤務することを意識してくれていると語った。各スタッフはみなあたたかく楽しい人ばかり、と話す内海氏の言われるとおり、たしかに大阪中央ディーラーは明るい雰囲気に包まれている。もちろん真剣に作業を行っているのだが、合間合間に見せるスタッフたちの笑顔はとても印象的だった。

以前富里ディーラーを訪れた際に、スカニアは福祉大国と呼ばれるスウェーデンの企業だけあって、労働環境の改善について積極的な姿勢を持つ印象を受けたのだが、その時にお話をお聞きしたスカニアジャパン 稲岡氏の言葉をお借りすれば、「もちろん一番大事なのはお客様です。ですが、そのためには働いているスタッフの環境を良くするべきとスカニアは考えている」と語っていたことを思い出した。良い製品は良い環境で働くスタッフによるもの、というスカニアの理念、考え方は、スカニア製品の高い品質を生み出す大きな原動力になっていることを改めて実感した。

_D8Q2633

スカニアジャパン 大阪中央ディーラーのメカニック、栢原氏。スカニアは乗り心地がよく、ドライバーへの配慮が素晴らしいという。時折見せる強い視線に整備への確かな自信を覗かせる。

_D8Q2707

スカニアジャパン 大阪中央ディーラー紅一点のメカニック、内海氏。PDIをはじめとした一連の一般修理を担当している。明るい笑顔が印象的。

_D8Q2566

納車直前のトラックのチェックに余念がない大阪中央ディーラーのメカニック。

美しいワークスペース

大型トラックやトラクターは車両が大きいのでなかなかその広さが実感出来ないが、大阪中央ディーラーも富里と同じく天井が高く、工場内敷地も広い。訪問時にも建物内に3〜4台のトラック・トラクターが作業対象となって格納されていた。
工場内はとてもよく整理整頓されており、床にはゴミひとつ落ちていない。工具類も整然と並べられていてどの工具をどこに戻すのかが一目瞭然になっている。また整備工場によく備わっているジャッキがないことも富里と同じだ。富里でも驚かされたが、穴が掘られたピットレーンや固定式のジャッキなどの整備レーンは存在せず、車両の上げ下げは移動式のジャッキを用いる方法で整備を行う。整備レーンを固定するとその場所でしか整備が出来ないだけでなく、空間も無駄になることがある。だが移動式ジャッキなら停めた場所が整備レーンとなる。大きなトラックやバスは頻繁に移動するのは大変なことだ。そう考えると、やはりとても合理的なのである。デスクワークでは美しい机からは良い仕事が生まれると言われるが、美しいワークスペースを持つ大阪中央ディーラーの整備工場も、間違いなくここからは良い整備が施されるだろうと感じさせる。

_D8Q2551

合理的かつ美しく整理が行われている工場内。工具の整頓ももちろん見事。シルエットの位置に当該工具を戻すようになっていて、わかりやすい。

_D8Q2525

部品の保管庫も整然としている。

_D8Q2529

富里ディーラーにも見られた、各メカニックに与えられるスウェーデンカラーの工具箱。中にはスカニア専用工具が収まっている。スカニアがメカニックを大切に考えている証拠と言える。

スカニア製品のメリットを伝えるために

大阪中央ディーラーのフロントマンでもある前出の加藤氏に、大阪中央ディーラーの今後の目標などをお聞きしたところ、サービスネットワークの拡大に努めるスカニアジャパンとして全国にさらに多くの協力ディーラーや整備工場を増やし、一層きめ細やかなサービス体制を確立していきたいと語った。故障やトラブルは避けねばならないが、万が一路上で止まってしまった場合、いかに早く現場にサービスが駆けつけられるかは重要なアフターフォローのひとつであるからだ。また、スカニア製品の持つメリットをもっと多くのトラック使用事業者に伝えたい、とのことだった。スカニアを購入した際、イニシャルコストだけを見るのではなく、そのトラックやトラクターが引退する時までのトータルコストという長いスパンで判断してもらった場合、燃費に優れ予防整備的なメンテナンスサイクルを守れば結果的にトータルコストを抑えられるスカニアを選択するメリットを理解してもらえるはずだ、と胸を張った。まさに冒頭で記したトータルで見た際のコストに関しては、スカニアはとてもメリットがあるということなのである。

さらにスカニアの製品は道具としても優秀なだけでなく、前述したように純粋に、美しい、かっこいい、乗り心地がいい、好きである、などの嗜好性が強い選択が行われる製品でもある。ドライバーはスカニアを運転することで誇りを感じることもできるのだ。そして製品に誇りを持っているのは、ユーザーだけではない。今回訪問させていただいたスカニアジャパン大阪中央ディーラーのスタッフも、みなスカニアという企業、スカニアが作る製品、それを扱うことを誇りに思っている。それが改めて確認できて、取材陣もとても嬉しく感じられた。GRIFF IN MAGAZINEでは、スカニアユーザーの声、そしてスカニアの持つ製品の特徴と理念、関わるスタッフの思いを、これからもお伝えしていきたい。

_D8Q2688

大阪中央ディーラーのスタッフ全員で写真を撮影させていただいた。みな明るく、笑顔を絶やさない。良い職場の雰囲気が感じられた。

_D8Q2600touch

据え置かれて使用される発電機のメンテナンスや、ロードサービス的な出張メンテナンスに活躍するサポートカー。スカニアの意見を取り入れ架装メーカーが開発したというこの車両は2代目で、先代に比べて作業台のサイズが小さくなって社内の作業がしやすくなっているなど、細かな改良が行われている。

_D8Q2617

プレス機や旋盤が収まる金属加工ブースには、レールに吊るされたクレーンが備わり、重いものもプレス機まで軽々と運搬することが可能だ。

_D8Q2616
_D8Q2533

鏡のようにピカピカの鏡面仕上げのパネルが眩しい、R410&トップラインのキャブを持つトラックは、この日まさに納車直前。日本にはキャビン+フレームの状態で輸入されたのち架装メーカーでパネルを載せ、また大阪中央ディーラーに戻ってきたのだという。

_D8Q2659

スカニアジャパン 大阪中央ディーラーのメカニックたち。大阪中央ディーラー設立後、扱い台数が飛躍的に増えたとのことだが、それにはきっと彼らの真摯な姿勢の整備が評価されたことも理由にあるだろう。

_D8Q2512

工場内のワイドショット。いかに整理整頓がされた美しいワークスペースであるか、おわかりになると思う。洗練されたサービスは、洗練された場所で生まれるのだ。

Text:遠藤イヅル
Photos:横山マサト

SHARE ON SOCIAL MEDIA

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

SCANIA JAPANの最新情報をお届けします。

SCANIAのセールスマンにフォーカスして見えた、スカニアの魅力とユーザーとの絆 株式会社マルニ様、ミカド輸送株式会社様

今回はスカニアセールスマンの一日に密着。滋賀県栗東市のスカニアディーラー株式会社マルニ、そして湖南市にあるスカニアユーザーのミカド輸送株式会社を通して、セールスマンがスカニアの魅力やアピールポイントをどのように伝えているのかを取材しました。

INTERVIEW

SCANIAを一挙5台追加導入した、大川運輸株式会社様の納車式に密着! 

GRIFF IN MAGAZINE初掲載となる、スカニア納車式に密着。カシマサッカースタジアム駐車場でのスカニア撮影会、そしてすでに3台のスカニアトラクターを運用し、今回新たにスカニア5台を導入した茨城県鹿嶋市に本社を構える大川運輸株式会社を訪ねた。

INTERVIEW

トラックのプロが選んだのは、SCANIAとともに進む道 港自工株式会社様

スカニアユーザーを対象に実施された「第2回SCANIAドライバー講習会」。7社の管理者・ドライバー、そしてスカニアジャパンのメンバーが集まった講習会の模様とその交流についてお届けするとともに、主催者である愛知県豊橋市のスカニアディーラー、港自工株式会社を訪ねた。

INTERVIEW

SCANIAは看板であり、そして従業員想いの証 浜名梱包輸送株式会社様

3台のスカニア製トラック、トラクターを運用し、地元を愛し地域に密着する企業、浜名梱包輸送株式会社様を訪ねた。浜松市に拠点を置き、輸送・配送はもちろんのこと、物流加工・流通加工などもトータルで行っている。スカニアを選ぶ重要な理由、想いを聞いた。

INTERVIEW

日本の重車両をSCANIAが変えて行く!「BANDO EXHIBITION 2017」をレポート

阪東自動車工業が主催している特殊車両展示会「BANDO EXHIBITION 2017」。トラック、トラクターはすべてスカニア製。多種多様なシャーシが用意されており、様々なオーダーに応えることができるスカニアの魅力をレポートした。

Event

全国を駆け抜けるSCANIAは、一番の憧れと安心感 有限会社西川商運様

「クルマ」を良く知るからこそ、スカニアの導入を決めた理由と、ずっと憧れ続けたスカニアに乗ることが叶ったドライバー。愛媛県西予市の西川商運様のお話を伺った。

INTERVIEW