INTERVIEW

SCANIAが運ぶ、新しい価値と「感動」。株式会社トランスウェブ

輸送品質に徹底したこだわりを持つ株式会社トランスウェブ

日本国内のトラック・バス市場は国産メーカーが強いことは、路上を走るトラック・バスに海外製メーカーの車両が少ないことからもわかる。日本には独自に進化した車両に関する法規があり、それに即した車両、および日本特有の気候など風土にも合わせた車両を開発しやすい。そのような海外製トラック・バスには少々特殊な環境である日本国内においても北欧スウェーデンのトラック・バス・産業用エンジンメーカーである『SCANIA(スカニア)』のトラックを大量に運用する会社がある。それが、千葉県富里市に本拠を置く『株式会社トランスウェブ』である。

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千葉県富里市にある、株式会社トランスウェブ本社。同社は他に名古屋、大阪に営業所を、富里市内にPDIセンターを有する。本社はスカニアの直営ディーラー、スカニア富里ディーラーに隣接する。

目に見えない品質“感動”も運ぶ輸送を目指して

株式会社トランスウェブは大型トランスポーターによる車両のチャーター輸送、海外製高級車の陸揚げからお届けまでの新車輸送、スーパーGTやスーパーフォーミュラのレーシングマシンなどの輸送、コンサートや演劇等のイベントに必要な映像機材・音響機材・舞台装置の輸送、輸送車両の開発、海外製高級車のPDI(Pre Delivery Inspection)など輸送を軸に数多くの業務を行っている運送会社である。

「発想力と情熱でお客様に感動を運ぶ」をテーマに掲げる同社は、コストや輸送時間を含めた輸送品質向上のために、長年の輸送で培われた経験をもとにして従来の概念に囚われない輸送車両自体を開発することでも知られる。そのために毎年ヨーロッパやアメリカに視察を行い情報収集しているほどだ。同社がここまで徹底した輸送車両にこだわるのは、輸送車両や丁寧な輸送といった目に見える品質だけでなく、目に見えない品質である“感動”も運びたいという「情熱」によるものなのである。

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トランスウェブの輸送車両はすべて白くペイントされる。これは、積載されるクルマの持つブランドイメージ・カラーイメージを壊さないため。

国内有数のスカニアユーザー

株式会社トランスウェブでは数多くのトレーラートラックが輸送に使用されている。現在同社が保有する車両のうちスカニアのトラクターは2016年4月現在で26台にも達し、保有台数におけるスカニアの比率、そしてスカニアの保有台数自体でも日本有数の規模となる。ではなぜ同社ではスカニアを積極的に導入しているのかを、株式会社トランスウェブ 代表取締役社長 前沢武氏にお伺いした。
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株式会社トランスウェブ 代表取締役社長 前沢武氏。同社のシンボルでもあるスカニアトラクターを前に立つ姿にはダンディズムが溢れていた。

「トランスウェブは2001年に設立しました。スカニアは2004年頃から使い始めたと思います。スカニアの導入に関しては、私はそもそも輸入車のセールスをしていたこともあって輸入車へのハードルが低かったこと、当時トランスウェブでは他のメーカーの輸入トラックを使用していて国産メーカーのトラックとは快適性や長距離運転での疲労度の違いなどの面で優れているのを知っていたこともあります」

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同社では75台保有する輸送車両のうちスカニアが26台にも達する。

スカニアのトラクターがもたらした新しい輸送の形

前沢氏はスカニアのトラクター導入の大きな利点も語ってくださった。スカニアの低床トラクターは国産トラクターに比べるとカプラー(トレーラーとの連結部)が20センチくらい低い。そのため、トレーラーの積載容積が大きく出来るのだという。

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背の高いスカニアトラクターとそのトレーラーが連結されると、こんな風にトレーラーの荷台の低さがよくわかる。スカニアトラクターの後輪が国産メーカーのトラクターよりも小さく、トラクター後部のキャビン以外が低いことに注目してほしい。

前沢氏によれば、スカニアのトラクターのリアタイヤ径の小ささは他にもメリットをもたらしているといい、一台のトレーラーを案内してくださった。その国産トレーラーは、カプラー部が低いことでトレーラーの荷台全体の高さも低くなっているのが特徴である。通常海上コンテナを運ぶトレーラーでは実現できなかったフラットな荷台へのコンテナ搭載が可能となったことで、コンテナを運んだ帰りに他に荷物を積んで帰ることもできるようになり輸送効率の向上が図られている。

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海上コンテナが運べるフラットな荷台のトレーラーの運用はカプラーの高さが低いスカニアのトラクターだからこそ可能となった。

運転手は「陸のパイロット」である

株式会社トランスウェブがスカニアを採用するのは、スカニアトラクターが前述のように同社における輸送品質向上の一助となること以外にも大きな意味があると前沢氏は続けた。それは、まずスカニアのトラックが輸送するということ自体が、輸送されるクルマや品物のイメージをアップさせるということ、そしてスカニアのトラックを運転すること自体がドライバーのモチベーション向上、さらには労働環境改善にもつながっていくのだという。

高級輸入車をチャーターで輸送したり、新車輸送を業務とする同社では「輸送する車両自体も高級輸入車のブランドイメージや品質を感じさせること」が大切である、と考えている。そのため同じ輸入車であるスカニアを採用することは、大きな意味を持つ。

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高級輸入車の新車輸送に活躍する株式会社トランスウェブ保有のスカニアトラック。こちらは積載車となっているトラックの後部にさらに積載トレーラーを連結したモデル。大型トラックとしては異例な背の低いキャビンとボディが、トラック部分でも2段積み積載を実現している。

前沢氏は、自身の仕事として「会社組織の上位だけではなく、ドライバーやメカニックといった社員全員の労働環境を良くする」ことが大切だ、とも。ドライバーは国内ではなかなか業務で乗車する機会が少ないスカニアを仕事に使えることを誇りに思い、それが日々のモチベーションとなること。そして移動距離が長くなることが多い彼らのために、欧州では日本よりも長い距離で運用されることもあって長距離運転でも疲れにくく、乗り心地に優れ、キャビンの居住性も高いスカニアのトラクターを提供することも環境改善となるとのことだった。

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同社ではスリーパーキャビンを備えた長距離輸送に適したキャビン(トップライン)を主に採用する。屋根上に展開されたエアロパーツは空気抵抗の軽減と燃費の向上に寄与する。このエアロパーツだけでも、国を跨いで長距離移動するスカニアのノウハウが詰まっている。

欧州では一般的にトラックドライバーの立場が高く、採用基準も日本より厳しい。だからこそ、前沢氏はドライバーは運転手ではなく「陸のパイロット」であるべきと語り、ドライバーの仕事が大切であることを強く訴えているのだった。パイロットが空港で自分の荷物をトロリー式のバッグで携行しながら移動しているのを見たことがあると思うが、前沢氏によれば、同社のドライバーはパイロットと同様に荷物をトロリーバッグで持たせているのだという。「カッコいいこと」もモチベーションの一つなのだ。

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スカニアを採用する重要性について語る前沢氏。「採用の理由はいくつもあるけど、一番はカッコいいから。だって、格好いいじゃない、スカニアって!」

スカニアが運ぶ“感動”

前沢氏がいかにドライバーを大切にしているかのエピソードをいくつかご紹介しよう。レース車両やレース関連機材の輸送も行う同社では、日本以上にレースが盛んな本場欧州へレース視察に毎年ドライバーを連れて行く。レースはあまり観ないで(笑)、見るのはもちろんモーターホームやトランスポーターで、実際のマシン積み降ろしや現場の雰囲気を確認する。次回以降どのように改善できるかの意見はドライバーから上がるのだという。

その他にもスカニア本社への訪問やスカニア本社からオランダへの1200km以上の運行に同行したりすることで、欧州のトラックドライバーの運転の仕方や運転に対する考え方を学ぶというのだから本格的である。

株式会社トランスウェブでは、日本の多くのトラックドライバーが体験できないことを経験することによって、ドライバー自身が新しい価値、そして同社の掲げる「発想力と情熱でお客様に感動を運ぶ」というテーマに沿ったサービスや価値が生まれていく。輸送するだけではない、プラスαの新しい価値。その価値とは、前沢社長の情熱、惜しみ無い技術開発、徹底した輸送品質へのこだわり、そして純白のスカニアとトレーラーの迫力と心配りなどがもたらす「ユーザーが感じる感動」なのだ。トランスウェブが運ぶのはクルマや品物だけではない。この“感動”を運ぶためには、同社にとってまさにスカニアは不可欠な存在である。今後もスカニア製品とブランドを活用した同社のより一層の発展を期待したい。

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取材の際スカニアトラクターを移動してくださったのはなんと社長ご自身!カッコいい!トレーラーとの連結もバッチリ。「カッコいいでしょ、スカニア!」

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トラクターとトレーラーの連結も全て社長が行ってくださった。見事な手腕!

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日本を代表する保税運送のパイオニア、平野ロジスティックスにも共同開発した車両が提供される。オランダ製のトレーラーは、AKEコンテナの2段積載を可能としている。

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これが何かわかったら海外のトラック通だ。これはトレーラー端部左右に設置される車幅灯。障害物にぶつかってもゴムでできているので折れることがない。

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同社のドライバーでイタリア人のジュリアーノ氏。日本ではイタリア人のトラックドライバーは珍しいのではないだろうか。イタリア製高級輸入車を運ぶスカニアを運転するイタリア人なんてシチュエーションが完璧すぎる!

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Text:遠藤イヅル
Photos:横山マサト

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