INTERVIEW

スカニアは自信を持って薦められる素晴らしい製品 〜両備テクノカンパニー様〜

『SCANIA(スカニア)』のディーラーであり車両整備も手がける両備テクノカンパニーは、100年を超える歴史を有する両備グループの1社「両備ホールディングス株式会社」の社内カンパニーです。この両備テクノカンパニーがスカニアを取り扱うようになった経緯と同社の整備環境についてご紹介します。

岡山県のスカニアディーラー、両備テクノカンパニー

両備グループは、交通輸送関連、ICT関連、生活関連と幅広い領域の事業を営む52社、約9400人の企業グループである。在阪大手私鉄の廃止予定路線を引き継いだ「たま駅長」で有名な和歌山電鐡の経営や、路面電車に画期的な低床車を導入するなど斬新なアイデアと実行力で公共交通の再生を得意とすることで知られる。

両備グループの中核企業と位置づけられるのが、バス・タクシー・フェリーなどの交通、倉庫や運送などの物流業務、旅行業務、不動産業・小売業などを行う「両備ホールディングス株式会社」で、従業員数が約2500人という大きな事業者である。今回取材に伺った「両備テクノカンパニー」は社内カンパニー制を採用する同社の自動車整備を中心とした事業を担う。その両備テクノカンパニー、2015年から中国地方をカバーするスカニアのディーラーでもある。

社内カンパニー制を採用していることで知られる両備ホールディングス。そのひとつ両備テクノカンパニーはスカニアのディーラーでもある。このサインこそがその証だ。

歴史に裏づけられた両備テクノカンパニーの技術力と信頼性

両備グループの歴史は古い。軽便鉄道の会社「西大寺鐵道(さいだいじてつどう)」が礎である。その流れを汲むのが両備ホールディングスだ。郵便鉄道の運行と並行して昭和初期よりバス事業に携わり、以来自動車整備に関わってきた。1964年、当時では最新鋭の整備工場が岡山市内に完成し、この頃よりモータリゼーションの風を受け事業幅が一気に拡大。両備テクノカンパニーはこの整備工場を前身とする事業部門で、その技術力と信頼性の高さは歴史に裏づけられた確固たるものと言える。

両備ホールディングスの歴史は、軽便鉄道とバスを走らせていた西大寺鉄道に端を発する。その後、両備バスの整備工場として1964年に創業した両備テクノカンパニーは、現在も両備グループのバスの車両整備を担当する。

現在では、両備グループの大型バス・トラックをはじめとした大型車両、軽自動車や普通乗用車の点検整備、車検、板金修理などの整備のほか、クレーンやショベルなどの建機・重機・フォークリフト・高所作業車などの産業機械・JR保線車両といった特殊車両の点検整備と販売、重機などに使用する部品の製造、防犯カメラなどのセキュリティ機器販売・事務所のトータルコーディネイト・車両販売、リース・保険業など、さまざまな事業を展開している。

重機や通常のトラックに特殊な機械が追加されたような車両の点検整備は、販売台数が少なく使用される期間もまちまちのため、一般的な整備工場ではノウハウ、施設、部品の確保などの対応が難しい。また、エンジンや足まわりが直せても、電気系統、油圧系統、コンプレッサーなどは専門知識が必須となる。両備テクノカンパニーは西日本最大級の敷地面積を誇る中国運輸局指定の民間車検整備工場を有し、長年にわたるノウハウと実績によってあらゆる種類の車両に対応できる技術力と設備を有することが強みだ。

広い敷地内には大型のバス、トラックの整備が可能なピットが並ぶ。取材日にはスカニアのトラックが整備にて入庫していた。

多種多様な車両が集う広い敷地内でもスカニアは存在感たっぷり。その整備には、スカニアに興味があり研究熱心な30代の若いスタッフを専属でつけているという。

整備は夢のある仕事

広い敷地には大型バスやトラック、道路清掃車や海外製の大型消防車、見たこともないような特殊車両が並ぶ。取材の間にも、ピットに入ったバスの整備は着々と進みスタッフが大きなラフタークレーンを颯爽と敷地内に乗り付け整備を開始する。乗り物好きならワクワクしてしまうような(筆者はまさにそうだった)両備テクノカンパニー。

しかし一方で、これだけの種類の車両を受け入れるにはご苦労も多いだろう。両備ホールディングス株式会社 両備テクノカンパニー 執行役員 副カンパニー長 西田 直樹氏には、「あらゆる車両」を受け入れる体制についていろいろとお話をお伺うことにした。

──一般的には扱いが少なく大変と思われる大型車や重機整備について、どのようにスタッフに教えているのでしょうか。

「技術の前に安全と社会人としての基礎をしっかり学んでもらい、夢をもって現場に出てもらいます。そのなかで最近力を入れて伝えているのは、“弊社の整備技術はAIやロボットとは双璧”、“人でしかできない整備は今後貴重に成り市場価値が上がっていく『夢のある仕事』であること”、“何のために働くのか”、“新人でも職場に貢献できることがある、それは挨拶”など、日々の行動ひとつひとつが将来の自分に繋がっているのだと理解してもらうよう努めています。そうすることで、一年後の成長が変ってきたように思います」

両備テクノカンパニーの沿革や取り組み、スカニアについての感想を聞かせてくださった両備ホールディングス株式会社 両備テクノカンパニー 執行役員 副カンパニー長 西田 直樹氏。

「乗用車ディーラー出身の若い方が、工場見学に来られることがあります。多種多様な機械や乗り物がピットに上がっているところを見せ、整備業の可能性を感じてもらい、最後に“うちでこの道を究めないか”この決め台詞で入社していただいています」

──新車ディーラーだとできることが限られていますが、一台一台に違った整備が要求される両備テクノカンパニーの重機整備は未知の領域へのチャレンジでもあるんですね。

「最初は戸惑いますが、数ヶ月経つと楽しくて仕方なくなります。奥が深いんですよ。ここを楽しめるスタッフは成長が早いです」

西田氏の「整備は夢のある仕事」という話は印象強い。昨今必要性が増している大量輸送や物流、建設を支える大型車や重機の需要は決してなくなることがない。しかし、それを支えているのは整備を行う人々なのだ。誰かが直さなければならない。身の回りがどれだけ自動化や電動化が進んでも、メカニカルな要素が存在する千差万別な車両をメンテナンスするのは夢のある仕事だし、“できる腕”を持つこともまた、たしかに夢があると感じた。

重機整備を得意とする両備テクノカンバニーの敷地内はご覧のとおりクレーンや重機がいっぱい。種類は多いが生産台数が少ない特殊な車両の整備を高いレベルの技術力で応じられるのが同社の大きな強みだ。

スカニアディーラーへの道を選んだ経緯 

両備テクノカンパニーは、前述の通りスカニアのディーラーも務めている。そこで、西田氏にスカニアディーラーとなった経緯やスカニアの良さについてもお伺いした。

「私たちは長年、国内外の建機や産業機械を扱っていますので、国内メーカーの製品の良さも、海外メーカーの良さもある程度分かっています。海外メーカーには国内製品にはない特徴がありますね。また、現在のトレンドの変化も掴まないとなりません」

「私は情報収集のためにいろいろな業界の展示会にも出向くのですが、以前、東京で開催されたある展示会でスカニアエンジンを積んだ発電機のブースがあったので、ブースに伺ってみました。そして岡山に帰ってから、自分なりにスカニアについて調べたんです。すると、スカニアは歴史と実績あるメーカーだということを知り、とても興味を持ちました。それで一緒にスカニアとやってみたいと思い、東京に行くたびにスカニアジャパンにお邪魔するようにしました。そして2015年、中国地方初、大阪以西初のスカニアディーラーになりました」

「重量物輸送をされる地元の事業者さまから、両備さんスカニア扱っているの?とお声がかかるようになりました。認知度も上がっています。室内の広さやパワーがあることからお使いの事業者さまからの評判も良いです。そしてドライバーも喜んでくれるので、社員の満足度向上やドライバーの確保にもつながりますし、スカニアはイメージリーダーにもなります。乗っていただければ必ず気に入っていただける素晴らしい製品です。自信を持ってお薦めしています」

整備士には若いスタッフが多く、職場は和気あいあいとしている。ベテランスタッフにも「若手の教育を行うこと」を指導しており、高い技術と仕事への心構えが継承されていく。現在はベトナム、ミャンマーの人材も採用しているという。

スカニアは血が通っている機械のイメージがある

続いて、両備テクノカンパニー 岡山工場 工場長 中浦 誠氏に、実際の現場視点でのお話と、整備から見たスカニアのお話をお伺いした。

「工場では自動車が40名、重機が30名を合わせて70名ほどが働いています。乗用車からバス、トラック、建機、特殊車両まで乗り物全般、すべて対応しています。両備グループのバス、バス・トラック製造の国内メーカーのディーラーから車両以外(トレーラーなど)の修理も来ます」

「ディーラーではトラクターは直せても、例えばキャリアカー部分はメンテナンス対応が困難です。また、重機のメンテはメーカーのディーラー工場では可能ですが、一般的な整備工場では難しいです。重機はそれぞれの生産台数が少なく、お持ち込みいただく車両が古い場合もあり、部品がない場合もあります。その際はある程度の部品は作ってしまいます。入ってくる車両に対して毎回が勉強ですね。油圧系統などの知識も必要です。乗用車の整備と違い、同じ整備を繰り返すことがまずありません。やってみないとわからないことも多いので、情報共有や情報伝達が大事です」

「スカニアは、クルマ自体はトラブルがなく最小限の修理の機会のみです。もう少し触りたいくらいです(笑)。エンジンは見た感じで構造が分かり、シンプルで整備性が良く好感が持てます。しっかり面倒を見ればずっと使えるという考え方は欧州的で、昔ながらの“クルマに血が通っている感じ”がありますね。整備面では、スカニアの故障診断器は使用範囲が広く、よくできていると感じました。テストモードが良く原因の特定が容易で整備性が高いです」

両備テクノカンパニー 岡山工場 工場長 中浦 誠氏に、岡山工場の詳細や取り扱う車両、スカニアについてのご感想をお伺いした。

見たことがないような車両も整備の対象。右側と奥に見える黄色いボックス型の車体は、新幹線の保線に使用する一人乗りのバッテリーカー。極めて珍しい種類の車両だけに、整備の苦労が偲ばれる。

両備ホールディングスのバスを整備するワンシーン。整備士が手に抱えるラジエターのサイズから、大型バスは部品ひとつひとつが大きいことがわかる。

今後もスカニアを積極的にアピール

両備グループの歴史とともに多くの実績を積み上げてきた両備テクノカンパニー。長年にわたるさまざまな車両整備で培われた豊富なノウハウは、スカニアディーラーとしても遺憾なく発揮されている。スカニア担当の整備士はスカニアに興味を持った研究熱心な若いスタッフが務めているという。

西田氏は、スカニアディーラーとして重量物輸送の事業者を中心にスカニアを積極的にアピールしていきたいと意気込みを語ってくださった。両備グループという地元岡山での大きなネームバリューはもちろんのこと、水島エリアなどの臨海工業地帯を近くに持ち、100tクラスの構内輸送も行われていることもあるという立地を生かし、1台でも多くのスカニアが岡山を、そして中国地方で活躍することを願ってやまない。

中国エリア初のスカニアディーラー、両備テクノカンパニー。今後のスカニア販売に期待したい。

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両備テクノカンパニーではバスの機械部分整備だけでなく、車体の板金修理、さらには車両のリニューアル、改造工事まで対応している。それができる工場は日本でも数少ない。

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奥では何やらこれまた珍しい車両が。荷台下の車輪が示すように、これは鉄道のレールの上も走れる「軌陸車」。本体は通常の積載量2tクラスのトラックだが、車輪やそれを駆動する部品などが備わっていることが特徴。

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こちらは道路清掃に用いられる車両。敷地内には本当に数多くの「働くクルマ」が見られ、両備テクノカンパニーの技術力、対応力の高さに驚かされる。特別な装備の保守・整備は部品の確保が難しいが、その際は自社内で作成する。オリジナルのパーツ製造も両備テクノカンパニーの重要な商材のひとつだ。

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前述の新幹線の保線用バッテリーカーをアップで。車内には狭いながらも係員が乗り込むスペースがある。レールの上を走る車両ではなく、新幹線のトンネルを点検するために使用する。軌道脇を新幹線が走行中でも点検できるように、頑丈な車体が採用されているという。カニの目玉のように飛び出たヘッドライト、車体下両端とセンター1軸の車輪、バッテリーの搭載位置が興味深い。

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各種国内建機メーカーの指定・協力工場でもある。両備テクノカンパニーではトラック・バス・乗用車の整備は自動車整備営業部が、重機は重機整備営業部が担当する。

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中国運輸局指定の民間車検整備工場の両備テクノカンパニー岡山工場ではさまざまな車両の整備が可能。軽乗用車、普通乗用車など「普通のクルマ」にももちろん対応している。ハイブリッド車にも強い。

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車検用の検査ラインも備える。

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工場奥にはエンジンのベンチテストが可能なブースも。取材日には巨大なディーゼルエンジンがテスト台に載っていた。

Text:遠藤イヅル
Photos:横山マサト

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