Scania’s History

革新の文化を継続してきた「スカニアトラック117年の歴史」VOL.04〜2000年代から現代まで〜

全4回でお送りしてきた『SCANIA(スカニア)』トラックの歴史紹介。最終回となる今回は、2000年代から現在までに登場したモデルがたくさん登場します。今回も、世界各国津々浦々で様々な用途に活躍するスカニアの勇姿を、秘蔵写真でたくさんご覧いただきます!

「スカニアトラック117年の歴史」VOL.01 〜創業から1945年まで〜 はこちら

「スカニアトラック117年の歴史」VOL.02 〜戦後から1970年代まで〜 はこちら

「スカニアトラック117年の歴史」VOL.03 〜1980年代から2000年代まで〜 はこちら

【2004年まで】主力は1995年登場の4シリーズ

1995年に登場したスカニア「4シリーズ」。前身である3シリーズは、1980年から発売された2シリーズの発展版でしたので、4シリーズは実質的に15年ぶりのフルモデルチェンジでした。デザイン、技術が一挙に進歩した時代でしたので、15年の年月で得た変化はとても大きく、イタリアのベルトーネ(現ベルトーネ・デザイン)による美しいデザイン、操作性が向上したインテリア、スカニアの設計哲学の根幹を成すモジュール化はさらに進化していました。そして4シリーズは、1996年、オランダの雑誌『Truckstar Magazine』が贈る「トラック・オブ・ザ・イヤー」を受賞。なお、スカニアは1989年にも3シリーズで同賞を獲得しています。

2000年 スカニア R124

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美しいキャブを持つ「4シリーズ」のR124L/400 トップラインのトラクター。車名の命名方法は12ℓエンジン+シリーズ名(4)。124Lの「L」はシャーシのランクを示す記号で、ランクは下から順に「L、D、C、G」。グリルの数字は最高出力(420hp)を表している。

2000年 スカニア 通算100万台達成

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2000年、スカニアは通算100万台の生産を達成。その栄誉を得た車両は、世界5ヶ国11ヶ所の生産工場の一つ、オランダ・ズヴォレで製造されたP124C/360だった。出荷後は国際赤十字に寄付され、人道的活動に使用されたのち、セーデルテリエにあるスカニアミュージアムに収蔵された。なお、スカニアは最初の50万台の車両を製造するのに約96年かかっているが、後半の50万台を達成するには13年しか必要としなかった。

2001年 スカニア R164

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V8エンジンを搭載するR164G/480。4シリーズに用意されたV8エンジンは、当初14ℓだったが、2000年からは15.6ℓに増強。480hpと580hpの2バージョンがあった。

2001年 スカニア T164

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オーストラリアの「ロードトレイン」で使用されたT164G/580。大量のトレーラーを連結した、その名の通り列車のように長い車両には、スカニアV8のパワーが必要だった。

【2004年】命名方法を一新。PRT(PGR)シリーズ登場

2004年、4シリーズの中でもRレンジがモデルチェンジを行い、新型の「Rシリーズ」に大きく進化を遂げました。キャブの基本設計は受け継いでいますが、数多くの部品が新たに開発され、グリルやバンパーのデザインが一層キャブのデザインに沿った形状にリファイン。インテリアも大きく変更され、さらに機能的な設計を得ています。命名方法も変更、シリーズ名+最高出力というシンプルな順列に。2006年には、4シリーズまでと同様で乗降性に優れたスタンダートモデルのPレンジが「Pシリーズ」として追加登場したほか、引き続き存続したボンネット型の「Tシリーズ」とともに、「PRTシリーズ」と呼ばれるようになりました。

2004年 スカニア R420

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Rシリーズではグリルとバンパーのデザインが大きく変更され、新型車にふさわしい外観となった。車名の付与方法も現在と同じルールに変更されている。すなわち、「R420」ならば、Rシリーズで420hpエンジンを搭載していることがわかる。

Tシリーズは2005年に生産を終えましたが、2007年にはRシリーズとPシリーズの中間を担う「Gシリーズ」が登場したことで、従来型スカニアのラインナップ「PGRシリーズ」が出来上がりました。2004年以降のモデルでは、キャブによるアイデンティティが従来より明確になったことが大きな特長と言えます。

2005年 スカニア T580

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長年にわたって親しまれたボンネット型トラックは、2004年以降もモデルチェンジして「Tシリーズ」として発売が続いた。P、Rシリーズと同意匠のグリルデザインで4シリーズと区別できる。世界の潮流が完全にキャブオーバー型に移行しつつある時代を乗り越えて、スカニアのボンネット型トラックは残り続けたが、整備性の高さ、長いホイールベースがもたらす乗り心地の良さ、ボンネットがあるゆえの安全性、北米市場での嗜好など、ボンネット型トラックが選ばれる理由が幾つか存在したためである。しかし、安全性、整備性、快適性についてその理由を技術が克服したこと、需要自体が低下したことにより、Tシリーズは2005年に生産を終了。ボンネット型トラックはついに最後の時を迎えることになった。

2006年 スカニア R420 

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サハラ砂漠以南、サブサハラアフリカエリアの子供たちを救うプロジェクト“En ruta solidaria”。2006年から始まったこの取り組みで、スカニアR420 6×4は病院用のベッド、車椅子、ストレッチャー、洗濯機、学校用品など12t以上の荷物を運んだ。6×4とは、後輪の2軸が駆動軸であることを示す。

見た目の変更のみならず、PRTシリーズでは技術面も大幅にアップグレード。排気ガス対策では、「Euro4」をクリアしたエンジンを車両メーカーとして世界で初めて搭載したことで、2005年にはトラック・オブ・ザ・イヤーの栄冠に輝きました。

2008年 スカニア P420

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高品質なスタンダードモデルとして知られるスカニアのPシリーズ。経済性、機能性、乗降性などトータルで優れた性能を発揮する。写真のモデルはP420の橋梁点検車。日本でもスカニアの橋梁点検車が活躍している。

2010年 スカニア G420

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2007年に追加されたGシリーズ。快適で広いキャブを持つバランスの高いシリーズで、重量物輸送や近距離、長距離まで万能に対応する。なお、2/3シリーズに存在していたGレンジ、4シリーズで採用されていたシャーシランクの「G」とは意味が異なっていることに注意。

2009年 スカニア Rシリーズ インテリア

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インテリア、特にダッシュボードの変更は注目すべきポイント。湾曲したデザインを持つため、ご覧のように手を自然に伸ばした場所に収納やスイッチ類が配置されている。品質も一層向上し、Rシリーズでは高級感も増した。

2009年の大幅改良では、ドライバーサポートシステムや12 段 AMT 「オプティクルーズ」を新搭載して、燃費効率および快適性を向上。これらの新機軸が評価されて、新しいRシリーズは2010年の「トラック・オブ・ザ・イヤー」を獲得する快挙を達成しました。

2013年 スカニア R580

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2005年、15.6ℓの排気量から最大で620hpを発生するV8エンジンを搭載。2010年には排気量が16.4ℓにアップ。最高出力はマックスで730hpまで高められた。写真のモデルは580hp仕様のR580。

2013年 スカニア G440

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中国国内でトレーラーを牽くスカニアG440。スカニアは中国、韓国、台湾などアジア市場でも強い存在感を示している。440hpおよび480hpの12.7ℓエンジンは、2011年に最も厳しい排ガス基準「Euro6」をクリアしている。

【2016年】21年ぶりのフルモデルチェンジ!「Sシリーズ」も登場

2017年 スカニア R450

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これまでのPGRシリーズのイメージを受け継ぎつつ、さらにモダンなデザインを身にまとうスカニアの新モデル(PGRシリーズ第2世代)。ラインナップはスタンダードモデルのPシリーズ、オールマイティなGシリーズ、高級感と快適性に溢れるRシリーズ、新登場のフラッグシップ・Sシリーズで構成される。

2017年 スカニアS650

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高いキャブによる迫力あるフロントマスクを持つSシリーズ。写真は650hpという強力なV8エンジンを積むS650。写真は欧州仕様で、キャブのサイドとルーフのエアディフィレクターを備える。

そして2016年、ハノーバーショー(第66回IAA国際商用車ショー)でスカニアの新モデルが世界初公開されました。4シリーズの登場から数えて21年目のフルモデルチェンジとなる新モデルは、10年に及ぶ開発期間と約2,500億円というスカニア史上最大の開発費用をかけ、シャーシ、キャブ、パワートレーンすべてを一新。走行性能、安全性能、燃費効率、快適性が一層向上しています。

2019年 スカニアS500

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新モデルのイメージカラーに包まれたS500。SシリーズはフラッグシップだがV8専用というわけではなく、様々なエンジンと組み合わされる。日本仕様では、4×2トラクターには直6エンジンのS410、S450、S500、3軸の6×4トラクターではV8エンジン搭載のS520、S650がカタログに載る。

2019年 スカニア Sシリーズ インテリア

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まるで高級乗用車のような高品質と高級感があったインテリアは、今まで以上にハイクオリティに。スイッチの操作タッチ、各部位の品質の高さには目を見張る。着座位置が変更されて視界も向上している。

また、これまではP、G、Rの3レンジだったスカニアに、新しいフラッグシップ「Sシリーズ」が追加されたことも大きな話題となりました。着座位置とウインドウが上昇してグリルは一層迫力あるものに。キャブ床面もフルフラットになり車内の居住性もアップしました。装備はRシリーズよりさらに充実し、フラッグシップにふさわしい存在感を誇ります。

2019年 スカニアP450XT

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重量物輸送や過酷な環境に向けて開発され、欧州市場では2017年に登場したXTシリーズ。頑丈な一体型スチールバンパー、許容重量 40tの牽引ピン、ヘッドランプガードなどヘビーデューティーな外観と装備が魅力。キャブはP、Gシリーズなどから選択が可能だ。写真はP320 8×4で、迫力満点のスタイルを持つ。XTシリーズは日本で未発売だが、今後の展開に期待したい。

スカニアらしさと迫力、洗練さを高次元で融合したデザイン、進化した設計思想などが評価された新モデルは、2017年のトラック・オブ・ザ・イヤーを得ました。これは、3シリーズ、4シリーズ、Rシリーズ(2回)、そして新モデルと、モデルチェンジごとに栄誉が与えられる快挙です。スカニアの各モデルがいかに、常に革新的な進歩を遂げてきたかがわかります。

2019年 スカニアP320

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日本ではスカニアといえばトラクター、重量物輸送の印象が強いが、世界各国では様々な運用をこなしている。こちらは配送に使用されるP320。日本でも一般用途に向け、スタンダードモデルのPシリーズをメインとしたP360完成ウィングリジッドトラックの導入が始まっている。

“これまで”から“これから”へ、新たな100年に向けて走るスカニア

製造開始から117年という、とても長い歴史を誇るスカニアのトラック。その間に登場したモデルの数は膨大で、4回に分けてようやく現代の「新モデル」のご紹介まで来ることができました。時間の経過、社会や経済の変化に伴って姿を変えてきたことに興味がつきません。

スカニアのトラックに一貫しているのは、どんな時代でも、どのモデルでも、常に時代を見据えた革新的な技術とフィロソフィ(哲学)から生み出されてきたことです。そして現在も、スカニアは次世代に向けた驚きのアイデアを実現すべくチャレンジを継続しています。今後どんなスカニアのトラックが登場するのか、今から楽しみにしたいと思います。

Text:遠藤 イヅル
Photo:SCANIA

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